
民主党政権への国民の初審判が下された今回の参院選。同党の“金城湯池”といわれてきた神奈川選挙区(補選を除く)では、結党以来初めて落選者を出し、2議席を死守できなかった。しかも落選したのは現職閣僚の千葉景子さん。菅政権への批判をもろに受けての痛恨の涙。同党は衝撃を受け、「政権への不信任と受け止められかねない」(幹部)と青ざめた。第三極のみんなの党に議席を奪われた格好で、全国で政権党の苦戦を象徴する選挙区の一つとなった。
民主党現職で法務大臣を務める千葉景子さんの落選に、陣営幹部や支援者らは静まり返った。昨夏の政権交代への期待が失望に転じ、厳しい選挙戦だった。法務行政への熱意、人権尊重の政策実現を懸命に訴えたものの、政権不信の逆風にかき消された。
午前0時47分、横浜市中区の事務所に千葉さんが現れると、支援者らはねぎらいの拍手で迎えた。「私のこれまでの活動、選挙戦での訴えに対して、もういいんじゃないかと有権者に判断された」と敗戦の弁を述べた。今後の活動について「あらためて決めていきたい」と述べるにとどまった。
知名度、経験、法務大臣の肩書。千葉さんを優勢と判断した県連は、2議席維持を大命題に、議員歴9カ月の若手の金子洋一さんに手厚い陣を敷いた。金子さんの応援に次々と大物議員を投入するのに対し、千葉さんはほとんど応援弁士が入らなかった。
千葉さんには、選択的夫婦別姓の推進や捜査の可視化などで指導力の発揮を期待する声もあった。陣営幹部は「現職閣僚の落選は全国への影響が計り知れない」と嘆く一方、「情勢は厳しいという声を聞き入れなかった」と党本部や県連の姿勢を批判した。
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