横須賀出身の洋画家・矢崎千代二の絵画展を開催、新発見の作品も
神奈川新聞 | 2010年5月5日(水) 12:04
横須賀出身の洋画家矢崎千代二(1872~1947年)の絵画展「矢崎千代二の人物と風景」が6月27日まで、横須賀市鴨居4丁目の横須賀美術館で開かれている。初期の貴重な作品が新たに発見されたことを受けて、同美術館が企画した。
矢崎は横須賀市汐入町出身で明治期から昭和期にかけて活躍。東京美術学校(現・東京芸術大学)に入学後、黒田清輝に師事した。明治期は油彩画を中心に描いていたが、大正期以降はパステル画を多く生むようになった。30代のころから活動の場を海外に広げ、多くのパステルの風景画を描いた。
新たに見つかったのは、1900年に描かれた、茂みの中で立ち止まる少女の姿が鮮やかな色使いで描かれている「秋の園」(縦約80センチ、横約60センチ)と題する油彩画。所有していた当時の貴族院議員の子孫が作品を受け継ぎ、昨年末に同美術館に紹介したという。
絵画展では、同美術館の所蔵作品を中心とする約30点を展示。矢崎が海外で目にした町並みや景色を描いた風景画や、彼が所有していたスケッチブックなど貴重な資料も展示している。
5月10日と6月7日は休館。観覧料は大人300円、高校・大学生と65歳以上は200円、中学生以下無料。問い合わせは同館、電話046(845)1212。
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