
下着デザイナーなどとして活躍した鴨居羊子(1925~91)の作品などを展示する「前衛下着道―鴨居羊子とその時代」が7月4日まで、川崎市多摩区枡形の市岡本太郎美術館で開かれている。
鴨居は大阪生まれ。54年に新聞社を辞めて下着制作を開始。白いメリヤス素材の時代にカラフルなナイロン製を世に送り出し、反響を呼んだ。
会場には、デザインした下着や好んで描いた動物の絵、手掛けた人形の写真など約150点を展示。一時期長屋を工場としていたことから、長屋のセットに下着を展示するなど工夫が凝らされる。
鴨居は、手紙のやりとりなどで芸術家、岡本太郎とも交流があった。デザインした下着を岡本が撮影した写真や、岡本にあてられた手紙が並ぶほか、同じくかかわりのあった大阪の「具体美術協会」の活動も紹介。鴨居が生きた時代の息遣いを表現している。同美術館は「古い価値観がまだ残る時代に、下着を通じて女性の価値観を変えてきた。特に働く若い女性にぜひ見に来てほしい」と話している。
午前9時半~午後5時。月曜と5月6日は休館(5月3日は開館)。一般800円、65歳以上と高校生・大学生は600円。問い合わせは同美術館電話044(900)9898。
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