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「日本の文化、世界の平和にとって損失」平山郁夫さんお別れ会

神奈川新聞 | 2010年2月2日(火) 23:43

昨年12月2日に79歳で死去した日本画家、平山郁夫さんのお別れの会が2日、東京都港区のホテルで営まれ、美術界や政財界の関係者ら約2千人が参列して別れを惜しんだ。

白い花で彩られた祭壇には、穏やかな表情の遺影と、平山さんが描いたシルクロードの作品をイメージしたびょうぶが飾られ、文化勲章も置かれた。

平山さんが2度にわたって学長を務めた東京芸術大の現学長、宮田亮平さんが「先生のご逝去は、世界の文化・芸術にとって大きな損失。痛恨の極みだが、その教えは受け継がれていくことでしょう」と涙をこらえながら弔辞を述べた。

平山さんは仏教やシルクロードを題材に数多くの幻想的で雄大な作品を手掛け、世界の文化遺産保護にも尽力。会では、鳩山由紀夫首相や胡錦濤・中国国家主席の弔電も読み上げられた。

◆ファンら520人献花

東京芸術大の学長だった平山郁夫さんを美術学部長として支えたことのある、横浜市芸術文化振興財団の澄川喜一理事長は、「もっと長く元気でいてもらいたかった」と花を手向けた。

世界規模で文化遺産保護や平和活動に力を注いだ平山さんの精力的な生き方を振り返り、「日本が世界の尊敬を得るには、文化力が何より大切なことをよく知っていた人でした」と話した。

平塚市美術館の草薙奈津子館長も献花に訪れ、「本当に多くの人たちが参列し、生前の人柄がしのばれるお別れ会だった」。また平山さんが暮らした鎌倉からは、松尾崇市長をはじめ市幹部5人が参列。庁舎には累計547人が記帳に訪れ、松尾市長が芳名録を妻美知子さんに手渡すと、地元の人たちの温かい気持ちに美知子さんは「感激しました」と応えた。「日本の文化芸術、世界平和にとって大きな損失」と松尾市長。

この日は一般の参列者による献花も行われ、平山さんと親交のあった人やファンなど、520人(主催者発表)が訪れた。

平山さんと撮影した写真を手に参列した松本靖男さん(58)=東京都日野市=は、1978年に海外で取材中だった平山さんと知り合い、以来30年を超える付き合いがあったという。「(祭壇の)写真を見て、まだ生きていらっしゃるような気持ちになった。もっと長生きしてほしかった」と寂しそうに話した。

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