長年にわたって浮世絵の収集に尽力してきた故・氏家武雄さんのコレクションを展示する「肉筆浮世絵の美」が、鎌倉市雪ノ下の鎌倉国宝館で開かれている。葛飾北斎や歌川広重、喜多川歌麿など、江戸時代を代表する絵師の作品約60点が並べられている。2月14日まで。
氏家さんは製薬会社の社長を務めていた人物で、海外に流出することもあった肉筆浮世絵の保存を積極的に進めた。1974年に鎌倉市と協力して国宝館内に財団法人を設立。財団がコレクションを所有する一方、保存管理や展示で国宝館が協力することになった。
浮世絵展は新春の恒例企画で、ことしは全収蔵作200点の中から約60点を抜粋して展示している。このうち、「雪中張飛図」は北斎晩年期を代表する武人画で、三国志で名高い張飛の姿を描いた。隣に展示された「桜に鷲図」も晩年の代表作で、北斎花鳥画の典型を示す作品とされる。
また、北斎壮年期の傑作「酔余美人図」なども展示されており、訪れた人たちが細やかな筆遣いや鮮やかな色彩に感心しながら見入っていた。
入館は午前9時から午後4時まで。観覧料一般400円、小中学生200円。月曜日は休館。
【】