戦国時代の後北条氏の拠点・玉縄城が、現在の鎌倉市城廻に築城されてから2012年で500年を迎えるのを記念し、地元住民らが500年祭の開催に向け本格的に動きだした。22日には、本丸跡に建てられた清泉女学院を会場に、実行委員会の発会式と記念講演会を行う。
玉縄城は1512年、小田原城の支城として北条早雲が建設。天守閣や石垣などはなかったが、丘陵部に空堀や土塁などの設備を設けた戦国時代の典型的な山城で、上杉謙信の攻撃にも耐え抜くなど関東の三名城の一つとされた。
その後、江戸時代に一国一城の制度が取られ、玉縄城は廃城。1963年に清泉女学院が建てられた。
この玉縄城をシンボルに地域の歴史や魅力を見つめ直し、新たなまちづくりへつなげていこうと、地元住民らは2006年に「玉縄城址(じょうし)まちづくり会議」を発足させた。行政と協働でセミナーや展示会の開催、城跡の美化活動などに取り組み、歴史啓発や環境整備に努めてきた。
将来的な玉縄城址公園化を視野に、12年秋には500年祭の記念行事を開催することも決定。武者行列や講演会などが計画されており、今後、発足させる実行委員会で詳細を詰めていくという。
実行委の会長には、同会議副会長で玉縄自治町内会連合会の田中八郎会長が就任する予定。発会式では、同会議が作製した玉縄城大手門の50分の1の模型を初めてお披露目する。
また、記念講演会では、県立歴史博物館の専門学芸員・鳥居和郎さんが「後北条一族の戦と暮らし」と題して講演するほか、鳥居さんら4人の専門家が「武家の古都鎌倉に後北条が遺(のこ)したもの」をテーマにシンポジウムも行う。
参加料は500円(大学生以下は無料)。問い合わせは、同会議事務局電話0467(45)7411。
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