昨年12月に誕生したアマチュア劇団「横須賀市民劇場プロジェクト」(吉本敏克代表)の旗揚げ公演「はるなつあきふゆ」(神奈川新聞社など後援)が9、10の両日、横須賀市深田台の市文化会館大ホールで開かれる。公募の市民ら舞台初体験の出演者も多く、本番に向けて詰めのけいこに励んでいる。
上演作品の「はるなつあきふゆ」は別役実さんが1993年に書き下ろした不条理劇。ある家族の四季を通して、現代社会のひずみやゆがみをシニカルに描いている。演出を担当する羽賀義博さんが選んだ。横須賀演劇鑑賞会が共催する。
市民劇場プロジェクトは、20年以上の歴史がある市内のアマチュア劇団「夢樹(むーじゅ)」のメンバーらが中心となって発足。一般公募も行い、スタッフを含めて総勢45人。今回の出演者18人は高校3年生から72歳の吉本代表まで幅広く、芝居の未経験者も7人いる。
6月から週3回のペースで重ねてきたけいこも大詰めを迎えている。5日夜も羽賀さんの指導で、それぞれが話し方や動作、立ち位置などを細かくチェックしていた。羽賀さんは「あまり頭で理解せず、素直に見てもらえれば感動が伝わるのではないか」と話す。
何度も自殺を試みては失敗する狂言回しの役で出演する吉本代表。「どれだけの人に来てもらえるかが鍵。演劇の楽しさを市民に知ってもらうためにも、ぜひ見に来てほしい」と意欲を見せている。
入場料は優先電話予約1500円。問い合わせは、横須賀市内の各コミュニティーセンターへ。
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