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「河野王国」に陰りも、注目区を行く/神奈川17区

神奈川新聞 | 2009年8月24日(月) 00:00

「偉大なる河野洋平先生の松明(たいまつ)を引き継いでいく」。公示日の18日。自民党の牧島かれん氏は、箱根町内のホテルで催された出陣式で支持者らに決意を示した。黒髪をなびかせながらの第一声は小田原駅東口。「派手」と揶揄(やゆ)されがちだった深紅のスーツは、純白のシャツに変わっていた。

牧島氏のわきに控えていた河野氏が応援のマイクを握った。その声はかすれていた。「戦況は非常に厳しい。わたしの15回目の選挙だと思って戦う」。

県内で最も広い選挙区の17区。河野氏は牧島氏を後継指名後、寸暇を惜しんで地元入りし、精力的に街頭演説や後援会回りをこなしてきた。「こんなに必死な洋平さんは見たことがないよ」。側近の県議も目を見張る。過去14回の選挙では見られなかった光景だ。

対する民主党の神山洋介氏は「17区の政権交代」を目指す。それは父子2代にわたる堅固な「河野王国」の崩壊を意味する。ただ牧島氏は横須賀市の出身。後継指名直後から「落下傘」という批判にさらされた。

河野氏は「後継の基準は出身地ではなく、実力と熱意だ」と擁護してきたものの、陣営内部から「河野後援会はもう一枚岩とはいえないからね」との声も漏れてくる。

民主党本部は2年前に出馬表明した神山氏を全面支援。鳩山由紀夫代表、岡田克也幹事長ら党幹部が続々と17区入り。自転車で選挙区内をくまなく走り回るどぶ板選挙を地でいく神山氏。6万枚に及ぶ名刺を老若男女に手渡した。

昨年5月の小田原市長選で、河野氏の支援にもかかわらず大敗した元県議は選挙後、河野氏とたもとを分かった。市長選には「河野党」を自負する別の元県議も出馬したが、河野氏が支援しなかったことから、距離を置く。2人は神山氏陣営を支える。

それでも「もともとの組織票の『基礎体力』は雲泥の差」(神山氏陣営)といいう。逆風の中、牧島氏は河野氏と「二人三脚」で、陰りの見え始めた「河野王国」の強固な地盤の引き締めに懸命だ。「県西地域から女性国会議員の誕生を」とアピールしている。

25日には、政界で一時代を築いた河野氏と小泉純一郎元首相の両雄を応援弁士に招き、南足柄市で集会を開き、反転攻勢を目指す。

一方、安倍晋三元首相の秘書官を務めた無所属の井上義行氏は、母校の相洋高校OBなどの支持層が河野氏と重なるだけに、こうした”造反組″の取り込みを狙う。幸福の中野淳子氏も減税政策や防衛力強化を訴えている。

◆◇◆

◇17区(小田原・秦野・南足柄市、足柄上・下郡)=敬称略、届け出順

牧島かれん32☆早大客員講師 自新

中野 淳子48 宗教法人職員 諸新

神山 洋介34☆党県総支部長 民新

井上 義行46 元首相秘書官 無新

【名簿の読み方】氏名、投票日現在の満年齢、☆は比例代表との重複立候補者、代表的な職業・役職、所属党派、新人―の順▽党派の略称は自=自民党、民=民主党、諸=諸派、無=無所属

【】

 
 

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