原鉄道模型博物館がオープンして1年。ということで、のぞいてみることにした。といっても、原信太郎さんのコレクションについては、ここで書くまでのこともなく、ご存じだろう。行きたかったのは、ミュージアムショップである天賞堂横浜みなとみらい店だ。
天賞堂といえば、言わずと知れた鉄道模型の最高峰(と私は思っている)。かつてあこがれたが、小中学生の小遣いでは手も足も出なかった。もともとは銀座の宝飾店だが、横浜駅西口ダイヤモンド地下街の店舗には、鉄道模型も展示されていた。
その模型がいつの間にか見えなくなった。と思ったらできていたのが、みなとみらい店。鉄道模型の主流がNゲージに変わった今、どうなっているのか、ドキドキしながら訪ねてみた。
いやはや参った。いや降参します。確かにNゲージやZゲージの商品もあるが、ど真ん中にはHOゲージの機関車や電車がドーンと並んでいた。真ちゅうで手作りされた高級品の蒸気機関車はまさに職人技。
価格の方も、蒸気機関車1両だけで2けた万円にもなる。店員さんに「子供のころに買った小さな機関車が家にある」と話したら、「手入れしたら動くかもしれませんよ。昔のものは意外に丈夫なんです」。
「どうですか、もう一度始めてみたら」。その言葉にクラッときたものの、値札を見、家のスペースを思い浮かべたら返事は自明。あこがれの天賞堂の壁は、子供時代と変わらず手強かった。(a)