29歳の若手指揮者・川瀬賢太郎さんが来春、神奈川フィルハーモニー管弦楽団(横浜市中区)の常任指揮者に就任する(年齢は就任時)。5日、同楽団が発表した。神奈川フィルによると、国内オーケストラの常任指揮者としては最年少での就任。現在常任指揮者を務める金聖響さんは2014年3月で退任する。
川瀬さんの就任は次シーズンの14年4月からで、任期は3年。同月の定期演奏会がお披露目となる。11年から名古屋フィルハーモニー交響楽団で指揮を執り、知性あふれるエネルギッシュな指揮には定評がある。今年4月、神奈川フィルの演奏会「武満徹と古典派の名曲」に登場、息の合った演奏で聴衆を魅了した。
神奈川フィルは来年4月に公益財団法人に移行予定。川瀬さんのほか、ベルリン・フィルなど国内外で多くの実績を残す小泉和裕さんを新しく特別客演指揮者に迎える。今年就任したサッシャ・ゲッツェル首席客演指揮者との「三人体制」で質の高い音楽を創造していく。
09年4月に就任した金さんは、神奈川フィルの音楽性を高め、定期演奏会の会員数を増加させるなど、楽団の顔として指揮を執った。来年3月、交響曲第6番「悲劇的」の再演で、手掛けてきたマーラーシリーズを締めくくり、5年間の活躍に幕を下ろす。
神奈川フィルは「貢献してくれた金さんに感謝し、総合的な力を発揮できる新体制で、トップレベルのオーケストラを目指したい」と話した。
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