京都の老舗染織会社、龍村美術織物が培ってきた貴重な技を紹介する「龍村平藏『時』を織る。」展が24日、横浜駅西口の横浜高島屋ギャラリーで始まった。初代・平藏から現在の4代目に至るまで、進化を続ける織物技術を、約300点の丸帯や壁掛けなどで余すところなく見せる。神奈川新聞社などの主催。
同社は、1894年に故龍村平藏さんが創業。織物を数学的な視点で捉えるなど自由な発想を発揮し、中国から渡来し、奈良・正倉院の宝物となった「古代裂(ぎれ)」を復元。誰にもまねできない技法などで次々に特許を取得し、代々研究を続けてきた。同展には法隆寺に伝わる古代裂や、豊臣秀吉の陣羽織を復元したものなどが並ぶ。
2006年に4代目を継いだ龍村旻社長は、「ただ残すというだけでなく、現代の生活で使ってもらうことに価値がある」と話す。4月に新装成った銀座・歌舞伎座のどんちょうも担当した。
刺しゅうのように見えるほど手の込んだ豪華な織物に、多くの来場者が感嘆のため息をついていた。
6月4日まで。一般800円、高校・大学生600円。問い合わせは横浜高島屋電話045(311)5111。
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