日本独自の美でありながら、近年見かけられなくなった日本髪の文化を知ってもらおうと、厚木市寿町の市郷土資料館で企画展「髪をゆう」が開かれている。入場無料、6月16日まで。
企画展はポーラ文化研究所(東京都品川区)の協力で実現。同研究所所蔵の「島田まげ」「勝山まげ」などの結髪ひな型やかんざしなどを借り受け、同資料館の浮世絵と合わせた約60点で日本髪の変遷をたどっている。
同資料館によると、市内の古墳から出土した巫女(みこ)のはにわはまげが結ってあるが、一般女性は戦国期までは長い髪を垂らした姿が普通だった。江戸期になると歌舞伎役者らの髪形を若い女性がまねるなどして結髪が一般化したという。
1831(天保2)年に厚木宿を訪れた渡辺崋山(かざん)の紀行文「游相(ゆうそう)日記」には「女男の風俗(江戸と)かはる事なし」と書かれており、髪形も江戸のものがほぼ同時期に流行していたという。1939(昭和14)年の愛甲理容組合の料金には「高島田50銭、丸まげ35銭、洋髪30、50銭(2種類)」とあり、当時の雰囲気が伝わってくる。
市内在住の70歳代の女性は「素晴らしい。かんざしも手が込んでいる。下見で来たけど、また友人を連れて来たい」と興奮気味に話していた。
25日と6月1日の午後1時半からは、日本髪に関連した講座が開かれる。無休。問い合わせは、同資料館電話046(225)2515。
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