横浜市中区の横浜ユーラシア文化館で、国内では珍しいヒンドゥー美術に焦点を当てた特別展「華麗なるインド神話の世界~神々が結ぶインドと日本」が開かれている。絵画、彫刻、工芸品など日本人コレクターが集めた貴重な約160点を展示している。14日まで。
日印国交樹立60周年を記念した特別展。19世紀に活躍したインド近代絵画を代表するラヴィ・ヴァルマ(1848~1906年)の作品群は圧巻。西洋の油彩画法や写真技術、演劇の表現力を取り入れ、人間味あふれる神の姿を写実的に表現。さらに石版印刷技術による大量印刷を導入し、神の原画をインド全域に広めるきっかけをつくった。
一時は忘れ去られた神の絵の存在だったが、約30年前に日本人コレクターたちによってその価値が再認識されたという。
約3年かけて準備してきた学芸員の福原庸子さんは「日本人コレクターの作品を一堂に集めて公開したのは世界的にも初めて」と話す。関連展示として同館1階で「横浜におけるインド人のあゆみ」、現代のインド国内を紹介する写真展も開催されている。入館料は大人300円、小中学生150円。月曜休館(最終日を除く)。問い合わせは同館電話045(663)2424。
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