
2013年の世界文化遺産登録を目指す「武家の古都・鎌倉」の国際記念物遺跡会議(イコモス)による4日間の現地調査が27日、終わった。文化庁文化財部長の石野利和さんは記者会見で「(調査員に)一定の理解を得られた」と手応えを語った。
調査員の王力軍(ワンリジュン)氏は資産の範囲、保存・管理計画、防火・防犯対策、復元方法に「高い関心」(文化庁)を寄せたという。質問は「準備の範囲内」だったようだ。石野さんは、登録まで「8合目」とした富士山(山梨、静岡県)と「同じところにあると確信している」と述べた。
文化庁は鎌倉市が住宅街に整備する方針のガイダンス施設についても説明し、王氏からは市内の道路事情についての言及もあった。
夕焼けに染まる鎌倉大仏を感慨深そうに眺めた王氏に、石野さんは「4日間の集大成を感じた」。王氏は「住民の高い意識、洗練されたまちを感じた」と話したという。
県生涯学習部長の福寿庸(ふくじゅやすし)さんは県市を代表し、「やっとここまできた。神奈川の魅力を世界に発信できるよう頑張る」と述べた。
イコモスはこの調査を踏まえて13年5月までに、(1)登録(2)情報照会(3)登録延期(4)不登録-のいずれかの評価を国連教育科学文化機関(ユネスコ)世界遺産委員会に勧告する。登録の可否は同年6月に決議される。
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