
横浜の文化を研究する学者や学芸員らが意見を交わし、横浜らしさを探るシンポジウムが26日、横浜市中区のヨコハマ創造都市センターで開かれた。幕末から明治初期の横浜を研究する「横浜異文化表象研究会」(井上由佳代表)と文教大学国際学部の主催。
シンポジウムは「『日本』・『西洋』イメージと発信地ヨコハマ」と題し、元横浜開港資料館調査研究員の斎藤多喜夫さんや、日本近代美術史が専門で東京芸術大学美術学部の佐藤道信教授らが出席した。
斎藤さんは、日本の浮世絵と欧米の風景画などを比較して、諸外国が持つ日本へのイメージを研究した結果を発表。明治時代の横浜の文化を捉えた写真も参考に、「横浜には『日本人に西洋文化を発信する』『西洋人に日本文化を発信する』という二つの役割がある」と話した。斎藤さんの発表を踏まえ、佐藤教授は長崎や函館など国内の開港地と横浜を比較し、「諸外国とのつながりが強かったことが、ハイカラな横浜独自の文化が生まれた原因」と分析。ほかの学者や学芸員らとも意見を交わした。
同研究会によると今回のシンポジウムは中間報告で、来年度には最終報告の発表を予定している。
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