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東日本大震災1年:ジャズ喫茶が同日復活へ、横浜「ちぐさ」と岩手「h.イマジン」

神奈川新聞 | 2012年3月3日(土) 15:32

11日にオープンする「ちぐさ」の前で、吉田衛さんの思い出を語る遊佐正孝さん=横浜市中区野毛町2丁目
11日にオープンする「ちぐさ」の前で、吉田衛さんの思い出を語る遊佐正孝さん=横浜市中区野毛町2丁目

多くのジャズプレーヤーやファンに惜しまれながら2007年、73年の歴史に幕を下ろした横浜・野毛の老舗ジャズ喫茶「ちぐさ」が11日、同市中区の野毛地区内の別の場所で新装オープンする。同店の元常連やジャズ関係者、地元飲食店らが協力し、実現した。東日本大震災を契機にレコードを送るなど支援してきた岩手県陸前高田市のジャズ喫茶「h.イマジン」と足並みをそろえた復活だ。

新店舗は2階建て。1階は、午前11時から午後5時までコーヒーを飲みながらジャズの名盤を楽しめる喫茶店、午後6時からはジャズバーとして営業する。

2階には「ちぐさ」のオーナーだった故吉田衛(まもる)さんの記念館を併設、3月下旬にオープン。かつての店舗を再現し、吉田さんがプロミュージシャンらと撮影した写真など、貴重な資料を展示する。

運営は、2月に発足したばかりの社団法人「ジャズ喫茶ちぐさ・吉田衛記念館」(鶴岡博理事長)。元常連による団体「ちぐさ会」や市内のジャズ関係者、付近の飲食店らが立ち上げた。

およそ30人いる「ちぐさ会」のメンバーなどが店を切り盛りする。また、被災地支援として被災者を雇用するほか、被災地の名産品も店で飲食できるように準備を進めている。

開店のきっかけは、社団法人に関わるメンバーが10年6月に立ち上げた「ちぐさアーカイブプロジェクト」だ。ちぐさを“文化的遺産”として伝承しようと、同店のレコードや家具、看板を使って店舗を再現した。

この過程で、メンバーから「記念館を造りたい」との声が上がり、検討が続けられてきた。横浜市が始めた空き店舗対策と被災地の復興支援を兼ねた助成制度に昨年11月、メンバーらが応募し、助成金の支給が決まったことから、一気に実現に向けて動きだした。

ちぐさ会の代表を務める横浜市の会社役員遊佐正孝さん(63)は、「いずれは公益法人を目指したい。吉田さんの名前が残るのは、うれしいこと」と笑顔を浮かべる。1階にはピアノも置き、ライブも行えるという。「若い人たちが気楽にピアノを弾け、ジャズに親しめるたまり場になってくれれば。もちろん2階では昔を懐かしんでもらえればうれしい」と話している。

一方、津波で店舗が流された「h.イマジン」も同じ11日に大船渡市内で開店する。神奈川新聞などで復活に向けた取り組みが報じられるたびに支援の輪が広がってきたことに、店主の冨山勝敏さん(70)は「ここまで善意に支えられ、感謝以外の言葉がない。生きるということはこんなに素晴らしいことなんだと思った」と話している。両店の関係者は当日、インターネット中継で再起を報告し合う。

ちぐさを運営する法人では、賛同者も募る。問い合わせは電話045(315)2006。

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