自分の位置 伝え方は
情報活用し「最適」探る
「どんな方法を使ってもいいので、世界の国の首都や人口密度、面積について調べてみよう」
深沢中学校で1年生の社会科の授業が始まった。ワークシートにある国々について、生徒は地図帳やタブレット端末を使ったり、友達と話し合ったりしながら調べている。地図帳には、国別の情報が整理されている統計資料集も載っている。「統計資料集を使いこなせるようになっている。すごいぞ」。教師が全体に声をかけると、生徒の表情が引き締まった。
「あなたは今、どこにいますか。外国にいる人にも分かるように教えてください」。教師が新たな問いを投げ掛けると、「写真や数字は使えますか」「地図帳やタブレット端末は使ってもいいですか」という生徒の声。教師は「最適な方法で自分の位置を伝えよう」と答えた。
地図帳をじっと見つめて考える生徒もいれば、地図帳とタブレット端末の両方で取り組む生徒もいる。どの生徒も自分が使える情報と、今までの学習で学んだことを生かして真剣に課題と向き合っている。
生徒たちは自分が考えた方法を伝え合う中で、誰にでも分かる方法として、言葉ではなく数値で伝えることに行き着いた。そして、緯度と経度を使えば、自分の位置を誰にでも正確に伝えられることを理解した。
深沢中学校は「情報活用能力を育成する授業づくり」を重点目標とし、さまざまな教科で実践している。学区の小学校と情報通信技術(ICT)の活用についても連携を図り、取り組みを共有している。教師たちは「教師と生徒が一緒に授業を作り上げていくときに、ICTの活用は効果的だ」と語る。学校教育目標の「未来へつながる深い学び」を、教師と生徒が日々実践している。
さまざまな教室から、県教育委員会の指導主事や先生らで構成する「学び見守り隊」がリポート