測量実習で腕を磨き
最新の機器を使いこなす
「据え付けと測角を5分以内でできるようにしよう」。先生から今回の目標が伝えられる。「今日は記録担当だから、焦らず正確に書かないと」。生徒は意気込む。測量実習の様子だ。
横須賀工業高校では2022年度に建設科が新設された。生徒は、新しい実習室で最新の測量機器を使い、土木や建築について専門的に学んでいる。測量の実習は、測量地点などを先生と確認して始まる。学校の敷地内すべてが測量できるフィールドだ。範囲が広いため、時間内に終わらせるには、生徒同士が協力・工夫しなければならない。初めの説明が終わると、基本的には生徒各自の判断に任せられる。「4じゃない?」「5だよ」。2人以上で数値を確認し合い、ミスのない測定を心掛ける。
測量で得られた実測データを正確に記録しなければ、検算ができないことから、結果を記録担当の班員に伝えるために、生徒たちは試行錯誤しながら実習を進める。また、けがをしないよう安全に行動することや、機材を大切に扱うことなども、大切な心構えとして身に付けていく。
こうした基本の測量技術に加え最新の技術も学ぶことができる。生徒が使う測量機器は、実際に測量会社などでも使用される最新のものだ。たとえば、角度と距離を測る機器であるトータルステーションは、自動でターゲットを識別し追尾する機能を搭載している。今後は測量したデータをコンピューターで解析できるようになる。ドローンなどの機器から得られたデータを図式化したり、レーザースキャナーのデータを実習中に手元のタブレット端末で視覚的に把握したりもできる。
基礎的で昔ながらの方法と最新機器を使った方法、双方の経験により、どのような建設現場にも対応し、活躍する人材になれるに違いない。
さまざまな教室から、県教育委員会の指導主事や先生らで構成する「学び見守り隊」がリポート