児童主体の野外活動
異学年の交流が学校の未来を創る
「大丈夫~? みんなついてきてる~?」「次はどこに行く? みんな、どのゲームやりたい?」「忘れ物がないようにね。次のポイントに出発だよ」「この荷物は誰のかな?」。公園のあちこちで、リーダーの6年生の声が上がる。
この日は、大野原小学校で毎年開催している異学年交流行事「チャレンジ泉の森」。全校児童が、1年生から6年生までの異学年で組む計96グループに分かれ、学校近くの公園「泉の森」で野外活動を行う。公園内ではグループごとに、先生や児童会の児童が待ち受けるチェックポイントを巡り、ゲームを楽しむ。
ネットを使ってボールをパスし合う「ボールキャッチ」では、「せーのっ!」「やったー!」など、息の合った声が上がる。
スプーンで松ぼっくりを運ぶ「スプーンでGO!」では、挑戦する仲間の様子を、固唾(かたず)をのんで見守る。
フリップの空欄に文字を入れて言葉を完成させる「穴埋めゲーム」では、「分かった! 分かった!」「はい! はい!」という1・2年生の元気な声が響く。
「チャレンジ泉の森」を楽しむ1年生から5年生に声を掛け、見守っているのは、各グループを引っ張る6年生だ。他学年の子どもたちを包み込むようなまなざしと言葉がけが、笑顔いっぱいのグループ活動を支えている。
「ねぇリーダー、リーダー。6年生っていいよね。なんかかっこいいよね」とあるグループの1年生が語る。少し照れくさそうにその言葉を受け取るリーダーの表情が温かい。
「かっこいい6年生」が学校を引っ張り、5年生は次の年の自分の姿をイメージする。1年生から4年生は、いつか自分もこんな6年生になりたいと憧れる。
異学年の交流が学校の未来を創る。
さまざまな教室から、県教育委員会の指導主事や先生らで構成する「学び見守り隊」がリポート