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ロゴデザインに込められた思いは?
「この会社のロゴマークを思い出しながら描いてみよう」。1学年の「美術Ⅰ」の授業である。
有名な通信会社やコンビニエンスストア、アパレル量販店などの名称が、正面のスクリーンに映し出される。
生徒たちは、グループで確認し合いながら協力し、タブレット端末のペイント機能を活用して企業のロゴを描いていく。続けて、自分たちが描いたロゴを教師のタブレット端末に次々と送信する。
教師は、そのうちのいくつかをスクリーンに映し出す。「なぜ企業名を見ただけでロゴを描くことができたの?」「なぜこの色を使って描いたのかな?」など、次々と問い掛ける。生徒たちは描いたロゴについて説明をし、クラスメートが耳を傾ける。
教師はその後、全てのロゴを生徒たちのタブレット端末に送信し、クラス全体で共有する。一つ一つの作品に歓声が上がり、さまざまな感想が飛び交う。
ここで教師が新たに問い掛ける。「色や形にはどのような意味があるか考えよう。例えば、赤にはどんなメッセージが込められているのだろうか」「このコンビニのロゴの中央のデザインは牛乳の容器だけど、なぜここに使われているのだろう」
生徒たちは、これらの問いに対してさまざまな意見や捉え方を披露する。色や形などの造形の要素の働きや効果について考え共有することで、デザインには多様な意味や思いが込められていることやデザインの機能、社会的役割などに気付く。自分たちの身近な生活にあふれているロゴの成り立ちに感動を覚える。
「それでは、今度は自分のオリジナルロゴを制作してみよう」。生徒たちは、この時間で学んだことを生かしながら、一人一人の感性を大いに働かせ、制作に取り掛かっていた。
さまざまな教室から、県教育委員会の指導主事や先生らで構成する「学び見守り隊」がリポート