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城ケ島漁協 海中で協力「天敵」除去

社会 神奈川新聞  2017年03月15日 15:05

深場でガンガゼを取りのぞくダイバー(城ケ島漁協提供)
深場でガンガゼを取りのぞくダイバー(城ケ島漁協提供)

 城ケ島漁業協同組合(三浦市三崎町城ケ島)などが取り組む藻場の保全活動が成果を上げている。磯焼けの原因となる魚などの除去を3年前から続け、藻場は回復傾向にあるという。全国漁業協同組合連合会が主催する全国大会で同漁協は取り組みを発表、多面的機能・環境保全部門で最優秀となる農林水産大臣賞を県内団体で初受賞した。 

 磯焼けは海中の浅い岩場に生える海藻が衰退や消失する状態で、日本各地で発生。生態系のバランスが崩れ、漁獲量の減少を招くとされる。城ケ島周辺では2008年ごろから、ウニの一種のガンガゼによる食害が見られるようになった。13年には藻類を好んで食べる魚アイゴが大量に出現し、被害が著しくなった。

 同漁協は14年、城ケ島ダイビングセンターと保全活動組織を発足。水産庁の交付金を活用し、県水産技術センター(同)の協力も得て対策に乗り出した。ガンガゼ除去を同年から始め、水深の浅い場所は漁師、深い場所はダイバーによって実施。現在は毎年秋に3回行い、これまでに計約5万個を取り除いた。

 他の魚も捕れてしまうため難しいとされるアイゴ対策には漁業者が力を発揮。経験に基づき多く集まる場所を選び、体長約30センチのアイゴ捕獲に適した専用の刺し網を使った。産卵前のアイゴを狙って年6~7回行い、同年以降で計約1900尾を駆除。網にかかった魚の約7割を占めたという。

 15年9月に行ったモニタリング調査では、1平方メートルの範囲内で海藻が覆っている割合は、アイゴを捕獲したエリアでは対策前(14年2月)の2割から8割に、ガンガゼを除去したエリアでは1割から5割にそれぞれ増加。今年1月の調査でも同水準を保っているという。

 大会の同部門では全国の6団体が発表。同漁協は効率的にアイゴを除去して成果を上げている点が評価された。

 同漁協によると、主力品のアワビの水揚げは、12年に約3トンだったが、13年に約2・3トン、14年に約2・1トン、15年には約0・7トンに大きく減少。磯焼けが原因の一つとみられる。

 同漁協の池田金太郎代表理事組合長は「ガンガゼやアイゴの除去活動を続け、アワビなどの資源回復につなげたい」、同センターは「この取り組みが全国的に広がってほしい」と話している。


全国大会で表彰される城ケ島漁協の石橋英樹さん(右)=都内(城ケ島漁協提供)
全国大会で表彰される城ケ島漁協の石橋英樹さん(右)=都内(城ケ島漁協提供)

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