
相模原出身で憲政の神様といわれた政治家・尾崎行雄(咢堂(がくどう))ゆかりの桜の植樹が9日、相模原市中央区の市立清新小学校で行われた。咢堂が米国に贈った桜の“孫”に当たる苗木で、市民グループ「尾崎行雄を全国に発信する会」が市との協働事業として市内の学校や自治会などに無料配布したもの。
咢堂は現在の同市緑区又野(旧津久井町)の生まれ。東京市長時代の1912年に日米友好の証しとして桜の苗木3千本をワシントンのポトマック河畔に贈った。その“子”に当たる32本が92年、旧津久井町で「咢堂桜」として植えられた。
ここからさらに接ぎ木で増やした苗木を希望者に配布し、市内各地にゆかりの桜を咲かせて咢堂の業績を広く伝えようという試み。まず茨城県の園芸業者で苗を育て、うち100本を昨年2月に緑区内の畑に植え替えて2メートルを超すまでに育て上げた。
1月から順次22施設に計84本を配布。清新小では老齢化が進む校内の桜の更新を進めており、22日に卒業式を控えた6年生144人の卒業記念植樹にもなればと応募した。各クラス1本、計4本の苗木をそれぞれ別の場所で植樹。子どもたちが穴を掘って苗木を入れ、「いつ咲くの?」と言いながら皆で少しずつ土をかぶせて水やりもした。「発信する会」メンバーらが竹で支柱を整えた後、「日米交流の記念樹」の題で由来を記したプレートを飾って、記念撮影をした。