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戸塚区防災無線の東海地震関連誤報問題、単純ミスが原因/横浜

社会 神奈川新聞  2011年10月31日 11:38

横浜市戸塚区の防災無線から東海地震予知関連の放送が誤って流れた問題は、システムを導入した1年半前に放送設備の設定を業者が間違え、それを市が見過ごすという単純ミスが重なったのが原因と判明した。混乱はなかったものの、ITの進歩で多様化し、自動で素早く出されるようになった緊急情報につきまとう誤報のリスクをあらためて示した形。折しも東日本大震災以降、緊急地震速報の「空振り」や津波警報の精度不足といった問題も浮き彫りになっており、専門家は「誤報が続くと、住民は避難などをしなくなる恐れがある」と指摘する。

■「予知」は流せず

「東海地震の発生につき厳重な警戒が必要です」。24日午後5時ごろ、戸塚区内の5小中学校に設置された防災無線のスピーカーから放送が流れた。

その直前まで気象庁で、東海地震の予知が目的の判定会が開かれていた。結果は「異常なし」。その内容が「調査情報」として自治体に配信されたが、無線の設定を誤っていた横浜市のシステムは、東海地震が切迫した場合に出される「予知情報」の内容を緊急放送で流してしまった。市が詳しく調べたところ、逆に予知情報が発表されても放送は流れなくなっていた。

東海地震の情報では、切迫性の低い順に調査、注意、予知の3段階がある。予知情報が出されると、首相が警戒宣言を発表。一部鉄道の運行が停止するなど影響は大きい。今回の誤報を機に、単純なミスにより、一刻も早く知りたい重要情報が住民に伝わらない状態だったことが判明した。

■速報も「空振り」

東海地震予知関連の誤報は2007年8月、藤沢市でも起きた。このときは2段階目の「注意情報」。しかし、未明に市内全域に流れたため、約600件の苦情が市などに寄せられた。職員が防災無線操作パネルのボタンを押し間違えたのが原因だった。

こうした人為ミスだけでなく、システムの不備や限界による誤報も相次ぐ。07年10月に本格運用が始まった気象庁の緊急地震速報は、強い揺れに見舞われる震源周辺に間に合わないことが導入以来の課題だが、東日本大震災以降は予測震度より実際の揺れが小さい「空振り」が後を絶たない。

余震や誘発地震が広範囲で多発しているため、別々の地震を一つの地震として計算してしまうことが主因で、気象庁は8月にシステムを修正。「余震も減少しており、誤報は減っている」と説明する。

このほか、津波警報の予想高さを低く見積もったため、住民が安心して避難しなかったことも問題視され、改善が検討されている。

■受け手も確認を

戸塚区の誤報が聞こえた保育園には、迎えの保護者から心配の声も出たが、園長(45)は「インターネットなどで確認し、ほかに情報がなかったので、慌てなかった」という。

広瀬弘忠東京女子大名誉教授(災害心理学)は「受け手側の住民は避難行動を前提に、テレビで確認したり役所に問い合わせたりして、情報を確かめることが大切」とする一方、「発表する側は情報への信頼が損なわれないよう入念にテストやチェックを重ねておくべきだ」と指摘している。

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