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国際映画賞受賞の幻の映画「ひろしま」を上映へ、原爆の惨状を世界に/藤沢

社会 神奈川新聞  2011年10月12日 23:21

主催者の島田さん(左)と映画プロデューサーの小林一平さん(中央)=藤沢市朝日町
主催者の島田さん(左)と映画プロデューサーの小林一平さん(中央)=藤沢市朝日町

58年前に公開され、国際映画賞を受賞したにもかかわらず、多くの人の目に触れることのなかった映画「ひろしま」が23日、藤沢市内で上映される。原子爆弾投下直後の惨状や、7年後に白血病を発症する子どもたちの苦しみを事実に基づいて描いた作品。上映会を主催する市民団体の事務局長は「悲惨な現実があったことを伝えるのは市民の責務」と上映会の成功に思いを込める。

「ひろしま」は、被爆した子どもたち105人の手記を集めた文集「原爆の子」(長田新編)を原作に、関川秀雄監督が1953年に製作。全国の小中高校の教師約50万人が1人50円を出し合い、製作資金2500万円を集めたという。

上映館による自主規制などで一般公開が難しく、教師らが映写機を担いで、神社の境内や、学校の体育館などで上映した。ただそれも3年ほどで終わり、その後はお蔵入りの状態となっていた。現在は35ミリフィルムが2本残るのみという。

作品を世界各地で上映すれば、核廃絶につながると、当時監督補佐を務めた小林大平さん(故人)の長男で映画プロデューサーの一平さん(64)が2009年ごろから上映活動を展開。外国語字幕版の上映を世界に広げようと「奇跡への情熱(核廃絶)プロジェクト」を今年1月に立ち上げた。

今春、新聞の記事で、その活動を知った市民団体ピースリレー・ふじさわ事務局長の島田啓子さん(67)が、藤沢での上映を呼び掛けた。

映画は、被爆者を含め約9万人の広島市民がエキストラとして参加。当時の街並みを、広島市内の工場跡地に再現し撮影した。一平さんは「本当にすごい作品。140分のうち、50分間は投下直後の惨状を描写している。(悲惨な状況に)溺れることなく淡々と描いている。子が親を、親が子を人間性を失うことなく助け合っていく姿も胸を打つ」と話す。

上映会は、藤沢市民会館(同市鵠沼東)第1展示ホールで、午後1時30分開場。大人千円、小中高校生500円。

問い合わせは島田さん電話090(9239)0864。

◆ひろしま 1953年製作、公開。140分。1955年第5回ベルリン国際映画祭長編映画賞受賞。

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