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野毛山動物園が60周年記念式典開催へ、「はま子」や閉園危機…思い出刻み/横浜

社会 神奈川新聞  2011年10月10日 22:07

華やかに行われたインドゾウのはま子の命名式=1951年5月5日
華やかに行われたインドゾウのはま子の命名式=1951年5月5日

ことしで開園60周年を迎えた横浜市立野毛山動物園(西区老松町)が15日、東日本大震災で延期していた記念式典を行う。長い歴史の中では、インドゾウの「はま子」やフタコブラクダの「ツガル」など“人気スター”が誕生する一方で、入園者数の低迷による閉園の危機もあった。歴史とともに市民の心に思い出を刻んできた野毛山動物園。市川典良園長(57)は「地域に支えられてここまで来た。これからも地域に密着し続けていきたい」と思いを新たにしている。

1951年の開園当初の名称は「横浜市野毛山遊園地」。日本貿易博覧会の会場跡地に遊園地と動物園が併設され、現在の約6分の1に当たる22種、200の動物を飼育していた。入園料は大人10円、子ども5円だった。

開園当初から人気だったのは雌のインドゾウのはま子。2003年10月に59歳で死ぬまで、52年間を過ごした。元飼育担当の金子富治さん(56)によると「すごい怖がり」で、寝室にヘビが入り込んだ時は捕獲されるまで丸3日、寝室に入らなかったという。

臆病だが心優しかったはま子は、後から入園してきたインドゾウの雌のマリコを自分の子のようにかわいがり、マリコが死の際に倒れ伏した時は格子越しに鼻を伸ばして揺さぶり続けた。元飼育担当の鈴木賢二さん(68)は「見たこともないほど取り乱していたはま子の姿を、今も忘れられない」としのんだ。

現在、人気を集めているのは、35歳で国内最高齢のフタコブラクダの雌のツガル。関節炎のため大半は寝そべって過ごしているが、体調は良く食欲も旺盛。しかし、年1、2回は来園者から「ラクダが口から泡を吹いて死んでいるみたいですけど…」と通報がある。

体を横倒しにして足を宙に浮かせ、口を半開きにして昼寝するツガルに、飼育担当の櫻堂由希子さん(26)は「よく見ればおなかが上下しているのが分かるんですけどね」と苦笑する。

2010年度の入園者数は約66万人。ピーク時の1974年度は約246万人だったが、万騎が原ちびっこ動物園や金沢動物園の開園で入園者が減少。よこはま動物園ズーラシア建設の際には廃園が検討され、市民らが存続を求め署名活動を行った。

当時、署名運動に携わった元飼育員の小林強志さん(61)は「みんなが『思い出の場所だから』と言って行列をつくり署名してくれた」と振り返る。広さ3・3ヘクタールの小さな動物園だが、子どもにはかえってちょうどいい広さだという。小林さんは「市民が一度は来たことがある場所。思い出の場所として残していく意義があるのではないか」と話している。

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