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災禍見つめ直す 関東大震災100年へ研究会が3日発足

社会 神奈川新聞  2016年09月03日 15:32

 7年後の2023年に迎える関東大震災100年に向け、横浜の歴史研究者らが3日、「首都圏災害史研究会」を立ち上げる。歴史学において、過去の災禍やその後の対応策が十分に検証されてこなかったとの反省に立ち、被害の実相だけでなく、人々がどう行動し、地域や社会を立て直してきたかに焦点を当てる。90年を機に高まった震災研究の深化を図るとともに、前後して相次いだ大規模水害も対象に含め、「次」に向けた備えの手掛かりを探る。

 研究会発足を呼び掛けたのは、横浜開港資料館の吉田律人調査研究員や横浜都市発展記念館の西村健調査研究員ら。神田外語大の土田宏成教授(日本近代史)が代表に就く予定だ。

 当面の研究対象として固まっているのは、死者・行方不明者が10万5千人を超え、未曽有の災禍となった1923(大正12)年9月1日の関東大震災と、各地の河川が氾濫した10(明治43)年の関東大水害。これまでの研究成果や自治体史などを整理した上で、来年以降の本格的な研究につなげる。

 他にも主に近現代の広域災害を加える予定で、高潮を伴った17(大正6)年の東京湾台風や戦後間もない47(昭和22)年のカスリーン台風などから、今に通じる教訓や課題を引き出すことを目指す。成果は論集やシンポジウムなどで発表する考えだ。

 取り組みのきっかけは、2013年に迎えた関東大震災90年の節目だった。その2年前の東日本大震災を教訓に過去の災害を見つめ直す機運が高まり、関東大震災の被災地となった首都圏各地の郷土資料館や図書館、文書館などがこぞって展示や講演を企画。多くの住民が足を運び、地域の枠を超えて一つの災害を見つめることの意義が認識されると同時に、これまでに編さんされた自治体史などが地元の災害に詳しく触れてこなかったことへの自省の声が上がった。

 浮かび上がった課題を検証するため、14年春には学芸員や大学の研究者らがシンポを開催。展示や企画を進める上で同種施設との役割分担や他分野との連携が不十分だったため、内容が重なっていたケースもあり、準備段階から協力を深める必要性も指摘されていた。

 土田教授は「災害が起きるたびに教訓が浮き彫りになるが、その後の対策も含め、それらを一連のものとして捉える必要がある。首都圏という枠組みで見ていけば、全体像をより明確にできるのではないか」と意義を強調する。


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