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湘南レッドに続け、トマト新品種を県農業技術センターが育成/神奈川

社会 神奈川新聞  2011年09月05日 10:36

県農業技術センター(平塚市上吉沢)の前身・県園芸試験場(二宮町)が産み出し、日本全国、世界に広まった生食用赤タマネギ「湘南レッド」が今年で誕生50年を迎えた。センターでは、さらなるヒット新品種育成をめざし試験研究に拍車が掛かっている。現在の期待の星は、形と栄養の高さはイタリアン、味は日本というトマトの新品種。加熱調理にも生食にも適し、1、2年内の品種登録を検討している。偉大な先輩に続いて普及するか注目される。

このトマトは「SPLシリーズ」という新品種で、形は円すい形で重さは60グラムから80グラム。赤色の「25R」と黄色の「G3」というタイプがある。赤色色素リコペン(「25R」)は普通のトマトの2倍、ビタミンCも1・5倍、うまみ成分のアミノ産含有量も多い。果肉が厚く煮崩れしにくい。こうした特徴はイタリア品種由来だが、糖度が高く生食でもおいしいのが日本品種由来の特徴だ。

育成はイタリアンブームを受け1996年にスタート。15年にわたる交配と改良の結果、品種登録を検討できる段階に入った。農学博士でセンター企画調整部長の北宜裕さんは「イタリア品種のよい点と日本品種のよい点を合わせるのが非常に難しかった。しかし自信作ができた」と話す。正式な登録名は今後、検討する。

センターとその前身である県農事試験場、県園芸試験場は、1世紀近くにわたって数々の新品種を産み出してきた。昭和初期には、現在のナシの主要品種「豊水」「幸水」「新水」の交配親となった「菊水」を育成した。この「菊水」がなければ、現在市場に出回っているナシの大半がなかったことになる。

また、モモでは、現在でも主要品種である「白鳳」を産み出している。

戦後の業績の筆頭が「湘南レッド」。神奈川を代表する地方野菜になったばかりでなく、サラダ用の赤タマネギの代表品種として全国に普及した。栽培面積は県内9ヘクタール(2010年)、全国90ヘクタール(同年推計)に及ぶ。最近では、国内よりも海外での生産が多くなり、中国では大量に生産されているという。

センターでは近年、地産地消の推進のため、より積極的な新品種育成を進めており、カンキツの「湘南ゴールド」、ネギの「湘南一本」、ナスの「サラダ紫」などが品種登録された。トマトの「SPLシリーズ」への期待も大きい。

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