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水源環境保全税、県外への税投入に疑問も/神奈川

社会 神奈川新聞  2011年09月05日 00:12

「生活排水対策は山梨県が単独で取り組むべきだ」「県民の貴重な税金を県外へ一方的に出すことは反対」―。県が打ち出した第2期水源環境保全・再生実行5カ年計画案。新規事業に相模川水系上流域における水質改善策が盛り込まれたことをめぐり、県民からの意見募集では税の使途を疑問視する声が上がった。

水源環境保全税は個人県民税の超過課税で、納税者1人当たりの平均負担額は年額950円。市町村民税などと同時徴収されていることもあり、消費税などに比べて負担意識が低いのが実情だ。それでも、年間7300万円を県外の生活排水浄化事業などに充てる意義については、神奈川900万県民の共通理解にしなければならない。

山梨県東部を流れる桂川。神奈川県民の生活を支える相模川の上流では今、森林荒廃による堆砂や生活排水流入による富栄養化が課題となっている。県が水源税収を活用して行った現地調査では、桂川流域11市町村の森林荒廃率は59%。流水には窒素やリンが多いことも明らかになった。

一方、県内における森林荒廃率(2009年度)は6年間で42ポイント改善し24%まで低下。桂川流域の調査データは、県が描いていた「良質な水を提供し続けるには、県内対策だけでは限界」との考えを裏付ける結果となり、県外に踏み込む下地が整った。さらに、山梨県も「森林環境税」の新設に向けて動きだしており、神奈川と山梨の「共同事業」との位置付けも鮮明化しつつある。

新税創設をめぐり、県議会で夜を徹した議論が繰り広げられてから丸6年。議会側には、県外対策への税投入の是非について、あらためて検証する重責が課せられそうだ。「いのち輝く水」を守る取り組みの第2ステージは、すでに動き始めている。

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