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アマモ神事が80年ぶりに復活、金沢区の瀬戸神社/横浜

社会 神奈川新聞  2011年07月02日 00:57

横浜市金沢区の瀬戸神社で、80年近く途絶えていた神事が3日、復活する。地元の海で採れた海草のアマモでみこしを清める神事「無垢(むく)塩祓(しおばら)い」。同区内の海岸再生の取り組みで、アマモがよみがえったことが再開のきっかけになった。同神社の佐野和史宮司(64)は神事を通じて、かつて人の暮らしと自然が深く結び付いていたことを感じてほしいと願う。

若者が海に飛び込み、海中からアマモを刈り取って神社に駆け込む―。海草や塩水で、けがれを払う神事は古来、神社などで全国的に広く行っていたとされる。同神社の無垢塩祓いも、昭和初期までは天王祭の中で催した恒例の行事だった。

だが、戦中の混乱と、神事に欠かせないアマモが環境悪化で減少したことなどが重なり、伝統は廃れていく。佐野宮司は「戦時色が濃くなる中で祭りも簡略化され、途絶えてしまったようだ」と話す。

再開の礎は、市民団体による海岸再生の取り組みだった。

NPO法人などでつくる「金沢八景―東京湾アマモ場再生会議」。2003年から金沢区内の野島や海の公園周辺で、アマモの復元に尽力する。

アマモは、海の底に根を張り、稚魚や小さな水生動物の隠れ家となる。また、窒素、リンを吸収して水質浄化の役割も果たす。かつて区内の海辺には至る所にアマモはあった。

だが、大規模な埋め立て工事が始まった昭和40年代ごろから、徐々に減りだした。同会議によると、活動開始当初、海の公園周辺に残ったのはわずか10平方メートル。同神社がある平潟湾ではほぼ皆無だった。

苗の移植が実り、今、野島や海の公園では、アマモの面積は2千倍ほどまで増えた。今後、平潟湾周辺でも広げていこうと考えていた折、再生会議のメンバーは、同神社が伝統の神事復活を望んでいることを知った。両者の思いが神事復活に結び付いた。

佐野宮司は、地域の古老から口伝えに神事の内容を詳しく聞いていた。社殿に残る古い記録も参照して、準備を進める。「ただ神事を行うだけでなく、自然環境の再生につながるようなものにしたい」

当日は、午後3時から、下帯姿の若者が弁天島周辺の海に入る。拝殿前に備えたみこしの四隅に、刈り取ったアマモをくくり付け、塩水で清めた後、町内を練り歩く。

同会議は「神社と一緒に活動するということは、地域との連携につながる。手を携えて平潟湾を豊かにしていきたい」と話す。

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