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神奈川全域の女子中学生へ門戸、野球チーム発足1年 「やまゆりクラブ」

スポーツ 神奈川新聞  2017年02月28日 02:00

投球練習で汗を流す選手たち。どの守備位置にも対応できるよう、メンバー全員が投球練習を行う
投球練習で汗を流す選手たち。どの守備位置にも対応できるよう、メンバー全員が投球練習を行う

 県内全域の中学校の女子野球選手に門戸を開いているチームが、発足からもうすぐ1年を迎える。軟式野球の「神奈川やまゆりクラブ」は昨年春、中学進学後に野球をなかなか続けられない女子選手の受け皿として産声を上げた。子どもたちはプレーの向上と大会での活躍を、関係者は女子野球のさらなる発展を目指し、白球を追っている。

 「野球が好きな女の子たちに、中学生になっても野球を続けさせてあげたかった」。そう話すのは、やまゆりクラブの発足から関わり、今は監督を務める新庄広さん(49)だ。

 昨年4月から横浜や藤沢市内の中学校などで月2、3回のペースで練習会を開催し、県内各地から延べ20人の女子選手が参加。12月には横浜スタジアムで練習会を開くなどし、楽しく、真剣に野球に取り組んでいる。

 チームをつくろうと思ったきっかけは、女子選手らの声だった。

 やまゆりクラブが発足する前は「横浜クラブ」が県内唯一の女子中学生のチームだったが、対象は横浜市内の生徒に限られていた。同市の中学校総合体育大会では2011年から毎年、エキシビションマッチとして横浜クラブと県内の女子中学生の選抜チームの試合も行われていたものの、「横浜には女子だけのクラブがあっていいなあ」「中学校にも女子野球部があったら」との声が挙がっていたという。

 新庄さんらによると、小学校までは少年野球チームに所属し、男子に交じって練習する女子は少なくない。だが、中学校に進むと、男子との体力差などから他競技に転向することも多い。

 一方、女子選手は増えている。日本中学校体育連盟(中体連)のまとめによると、県内の中体連加盟校で野球部に所属する女子部員は16年6月現在で168人で、調査が始まった01年からの16年間で過去最高を記録。男子部員が09年から7年連続で減少する中、女子部員は全体の2%にも満たないものの競技熱は高まっている。

 そんな背景もあり、当時横浜クラブで監督を務めていた新庄さんらが一念発起。県野球連盟が主体となって県中体連軟式野球専門部の協力のもと昨年4月に、やまゆりクラブがスタートした。

 練習会に参加する女子選手の目は一様に輝いている。寒川東中2年の選手(14)は「(中学校の)野球部に女子は自分の学年で一人だけ。ここでは同じ女子と練習できていい経験になるし、すごく楽しい」と笑顔。発足時から参加している松田中2年の選手の父(42)は「男子との練習だとどうしても差が開き、レベルアップできずにいた。今は生き生きとした表情で練習できている」と話す。

 志は高く、目指すは日本一だ。昨年7月には記念すべき第1回の全日本中学女子軟式野球大会に出場。初戦で沖縄代表に2-6で敗れた悔しさを胸に励んでいる。

 学校の部活動との両立や、遠方の大会に参加するための費用など課題も多いが、新庄さんは「地道に活動して、いろいろな人に知ってもらうことが大事。(中体連の)県内8地区それぞれに一つずつチームができて、女子野球が県大会から盛り上がるようにしたい」と意気込んでいる。


バッティング練習をする選手たち=昨年12月、青葉台中
バッティング練習をする選手たち=昨年12月、青葉台中

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