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過積載に業界の体質問う声、川崎のダンプ横転死亡事故/神奈川

社会 神奈川新聞  2011年06月12日 11:47

5月中旬、川崎市多摩区の県道を走っていたダンプカーが横転し、自転車の男性(67)が死亡した事故で、多摩署が11日までに、道交法違反(積載物重量制限超過違反)の疑いで、ダンプカー運転手の東京都八王子市の建設業の男(67)を書類送検していたことが分かった。事故の主原因はハンドル操作の誤りとみられるが、過積載も一因とされる。運送業界の関係者は「ドライバー個人だけでなく、業界内の体質も問題がある。荷主の企業倫理や業界内の構造に目を向けないと、過積載はなくならない」と話す。

事故は5月14日午前7時5分ごろ、川崎市多摩区枡形4丁目の県道で発生。同署によると、ダンプカーの男が右車線から左車線に車線変更しようとした際、左側に自転車が走っていることに気付き慌てて右にハンドルを切ったところ、積んでいた土砂が左に崩れ、一緒に車体もバランスを崩して左に横転、自転車と衝突した。同署は男を自動車運転過失致死容疑で送検。その後の調べで、10トンダンプカーは約40%オーバーとなる約14トンの砂を積んでいたことが判明した。

県警によると、過積載の摘発件数は2008年674件、09年387件、10年239件と減少傾向にあるが、積み荷オーバーが一因とみられる死亡事故は6年前にも起きている。

05年3月、松田町松田惣領の国道246号交差点で、過積載のタンクローリーが横転し、運転していた男性(33)が死亡したほか、対向車線で信号待ちしていた乗用車の運転手ら2人が重軽傷を負った。

県トラック協会は「罰則の強化と景気の悪化で、近年減少傾向にある。重大事故の可能性だけでなく、車体も傷めてしまう」と話すが、ある業者は構造的原因を指摘する。

昨年10月、過積載の疑いで書類送検された横浜市内の運送会社の経営者は「従業員の認識不足が原因。社として指示したわけではない」と釈明しつつ、「荷主との契約は車の積載量に応じて金額を設定する『車建て』と、積載量によらずトン当たりで金額を決める『出来高』がある。うちは『車建て』だが、『出来高』の場合はできるだけ多く荷物を運んだ方が利益が出るのは自明の理だ」と、過積載にメリットが出る契約方式の存在を指摘。

さらに「積み荷の量は発注伝票で確認するしかないが、中には書かない荷主もいる。下請けの中小企業の多くは荷主の指示に従わざるを得ない。もっと荷主を厳しく取り締まり、業界全体で足並みをそろえないと過積載はなくならないだろう」と言及、抜本的な過積載対策を求めた。

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