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「あえて政策に掲げない」
新幹線の新駅ゴール見えず 寒川町議選

選挙 神奈川新聞  2017年02月17日 02:00

ツインシティ構想に関する地権者説明会は1年以上開かれていない =2014年9月、寒川町倉見地区
ツインシティ構想に関する地権者説明会は1年以上開かれていない =2014年9月、寒川町倉見地区

 白と青の車体が猛スピードで相模川の鉄橋を駆け抜けていく。

 「倉見地区に東海道新幹線の新駅が来ます! 新駅に合わせたまちづくりを進めましょう」

 14日告示の寒川町議選に出馬した候補の出陣式。新幹線の音に負けぬよう、支援者の一人が声を張り上げた。だが、周囲の拍手はまばら。演説を聞く有権者も「候補の口から新駅の話を聞いたことはない。話題に出しにくいのでは…」と、重い口ぶりで語った。

 町の北部、倉見地区を舞台にしたまちづくり「ツインシティ構想」が発表されたのは、1997年。相模川対岸の平塚市大神地区と新しい橋で結び、新幹線駅を誘致する構想だ。だが、20年が経過した今も新駅が実現する気配はない。

 町は毎年、JR東海に対し、県や関係自治体と新駅設置の要望を出してはいる。しかし、回答はいつも極めて消極的だ。「新駅設置の可否について検討できる段階ではない」

 青写真の実現を念頭に着々と計画を前進させる平塚市とは対照的に、足踏み状態が続く寒川町。新駅が決まらなければまちづくりの方向性も定まらない。ゴールの見えない状況が長く続き、近年は町議会でも“異論”が出始めている。

 ある現職候補は「町民は本当に新幹線駅を必要とし、望んでいるのか」と計画自体を疑問視、「誘致の決定時から社会情勢は大きく変化しており、再度、住民の意見を聞くべきではないか」と強調する。

 新駅の事業費は駅舎だけでも250億円とされ、町政に詳しい関係者は「議論を呼ぶ話題だけに候補者は話したがらない。個人的には町の発展のために新駅は必要と思うが、実現するのかどうか…」と打ち明ける。

 ある新人候補の陣営は言った。

 「ツインシティを巡る事態は変わらない。1票でも多くほしい選挙戦で、あえて政策に掲げることはしませんよ」


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