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「バリアフリー能」がソフト面に工夫で定着、障害有無に関係なく誰でも鑑賞を/横浜

社会 神奈川新聞  2011年03月07日 13:11

昨年3月に行われた「バリアフリー能」。舞台上には解説文を表示するスクリーンが用意され、手話通訳も行った=横浜能楽堂
昨年3月に行われた「バリアフリー能」。舞台上には解説文を表示するスクリーンが用意され、手話通訳も行った=横浜能楽堂

障害のある人とない人が、ともに能と狂言を楽しめる横浜能楽堂(横浜市西区)の「バリアフリー能」が、19日の公演で10回目を迎える。視覚障害者向けの副音声放送や解説の手話通訳など、ソフト面のサポートを毎年拡充させ、東京や埼玉など県外からも観客を集める企画に育っている。

バリアフリー能が始まったのは2000年。知的障害者団体が同館で能を見る会を企画したことをきっかけに「障害のある人に来てもらうことも能楽堂の大きな役割」(副館長の中村雅之さん)と、スタートした。障害の有無に関係なく誰でも鑑賞することができ、毎回客席の8割ほどが埋まるという。

公演が始まった時期は、施設面でのバリアフリー化が各地で進んでいた。そこで同館が注目したのが、遅れていたソフト面の充実だ。点字のチラシや手話解説などスタンダードなものから始まり、毎年障害者団体に要望を聞きながら新しい工夫を加えてきた。今回は、副音声を担当する能研究者と視覚障害者の質疑応答の場を設ける。

また、「知的障害者の需要が多い」(中村さん)ことも特徴の一つ。能は静寂が前提だが、この公演では観客が声を出すことを制限しない。発声を気にして文化施設を避けていた障害児の保護者からは、「子どもを気楽に連れてこられた」という感想も寄せられたという。

「バリアフリー能」の存在は広く知られるようになったが、現在のところ他の施設には波及していない。中村さんは「興行ベースでできないことをやるのが、公共文化施設の役割でもある。他施設もぜひ追随してほしい」と話す。

「バリアフリー能」は19日午後2時開演。入場料は3千~4千円(席により異なる)で、介助者1人は無料。

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