1. ホーム
  2. 社会
  3. 「愛した楽器で音楽を」シベリア抑留のアマチュア音楽家遺族、宮谷小にアコーディオン寄贈/横浜

「愛した楽器で音楽を」シベリア抑留のアマチュア音楽家遺族、宮谷小にアコーディオン寄贈/横浜

社会 神奈川新聞  2011年02月21日 22:27

岩田さんが長年愛用したアコーディオンを演奏する熊坂さん(右)=横浜市西区の市立宮谷小
岩田さんが長年愛用したアコーディオンを演奏する熊坂さん(右)=横浜市西区の市立宮谷小

シベリア抑留中に楽団を結成していたアマチュア音楽家のアコーディオン2台が、横浜市立宮谷小学校(同市西区宮ケ谷)に贈られた。遺族は「本人が愛した楽器に触れ、音楽を好きになってほしい」と願う。21日に同校で演奏会が開かれ、子どもたちは優しい音色に聞き入った。

贈られたのは、2007年に82歳で亡くなった岩田稔さん=同市金沢区=のアコーディオン。半世紀前に製造されたものという。

岩田さんは、小学生のときに学校でアコーディオンを始め、腕を磨いてきた。だが、19歳だった1943年に応召。旧満州(中国東北部)に派遣され、戦後も49年までシベリアに抑留されていた。収容所生活の中で、仲間とともに楽団を結成。腕前はソ連兵も認め、演奏のため労役を免除されることもあったという。

「亡くなった人の遺体をそのまま土に埋めたこともあったと聞いた。音楽を支えに辛い体験を乗り切ったのだと思う」。岩田さんの長女、前田和美さん(51)は、抑留体験について多くは語らなかった父の思いを推し量る。

愛用のアコーディオンの寄贈を考えたのは、岩田さんの他界後。和美さんは「音楽に救われ、平和を愛した父。その遺志を受け継いでほしかった」と話す。義弟にあたる山内洋正さん(69)が宮谷小学校学区の自治会長を務めている縁で、同校に贈ることになった。

21日は、伊勢原市のアコーディオン奏者熊坂栄弥さん(33)が招かれ、アニメのテーマ曲や同校の校歌を演奏。子どもたちは軽やかなメロディーに合わせて元気いっぱいに歌声を響かせた。

アコーディオンの音に乗った児童の歌声を聴き、「父も本当に喜んでいると思う」と和美さん。同校の中川智子校長は「今後も演奏会を開くなどして大切にしていきたい」と話した。

【】


シェアする

編集部のおすすめ

アクセスランキング

  1. 【写真特集】台風15号の被害状況

  2. 【台風15号】護岸崩壊、工場に海水 数百社被災か、横浜

  3. 【台風15号】停電続いた鎌倉で支援広がる 銭湯、無料も

  4. 【台風15号】浸水の工業団地、被災750棟か 横浜

  5. JR東海道線大磯駅で男性はねられ重体 1500人に影響

  6. 動画 【台風15号】陸上自衛隊が倒木撤去、鎌倉

  7. 【台風15号】県内の建物被害、15市町村に

  8. 今季初、インフルエンザで学級閉鎖 川崎の市立小学校

  9. 【台風15号】横浜港にも爪痕 浮きドックやシーバス漂流

  10. 160人のわいせつ画像撮影、提供か 動画販売業の男逮捕