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語り継ぐ関東大震災
未曽有に学ぶ〈55〉刻まれた思い ◆動かぬ事実次代に

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神奈川新聞  2005年11月27日公開  

3年に及んだ県内の震災石碑などの調査を振り返る武村教授。報告書は各年ごと3冊にまとめられた
3年に及んだ県内の震災石碑などの調査を振り返る武村教授。報告書は各年ごと3冊にまとめられた

 足かけ3年に及んだ調査を今春終えた。県内各地に点在する慰霊や復興の碑を訪ね歩いては刻まれた文字の一つ一つに目を凝らし、先人の苦難、亡くなった人々の無念に心を寄せ続けた。93年前の1923(大正12)年9月1日午前11時58分、東京や横浜を中心に10万5千人余りが犠牲になった関東大震災。未曽有の災禍を生き抜いた体験者が年を追うごとに少なくなる中、当時を知らぬ私たちは、教訓をどう語り継いでいくべきか。地道な研究を重ねてきた名古屋大教授武村雅之(64)は今、思いを新たにしている。

 関東大震災から90年を迎えた2013年に武村が始めた慰霊碑や記念碑、遺構の調査。郷土資料などを突き合わせて武村が調べ上げたのは、鎌倉や小田原などと同じように津波に見舞われた相模湾沿いの熱海や伊東を含めて455地点に上った。

 その中に当時の人々の無念を代弁するかのような大きな石碑があった。

 〈あゝ九月一日〉
 相模川のたもと、小田急線の鉄橋に近い厚木神社の脇。訪ねた武村は90年の節目の2013年9月に行った講演で、この碑に抱いた感慨をこう語っていた。

 「慰霊碑をずっと調べていくと『あゝ九月一日』というのがある。これには当時の人たちのいろんな気持ちが重なっているのだと思う。一つには『ああ、この9月1日がなかったら、自分の肉親が亡くなることはなかったし、自分たちがもっと幸せに生活できたんじゃないか』という思い。もう一つは、慰霊碑を建てた一周忌や三回忌、七回忌、十三回忌といった節目に、『ああ、今年も9月1日が来たなあ。あのときは苦しかったけれど、今はここまで復興できて、頑張っているよ』と亡くなった人に伝えたい、という気持ちなのではないか」

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