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懐かしのつぼ焼きいも好評、「将来は地産地消に」/平塚

社会 神奈川新聞  2011年01月15日 22:33

出来たてほくほくのつぼ焼きいも。しっとりとやわらかいのが特徴だ
出来たてほくほくのつぼ焼きいも。しっとりとやわらかいのが特徴だ

ほくほくの焼きいもが恋しくなる季節だが、「石焼き」ならぬ「つぼ焼きいも」をご存じだろうか。昭和初期に広まったが、現在ではほとんど見られなくなった伝統的な製法を現代によみがえらせたのが平塚市の長橋徹さん(31)だ。デザイナー業と二足のわらじを履いて週末には湘南の朝市やイベントなどに出店。評判は上々だ。

「まだまだ接客も慣れないんですけどね」。照れ笑いする長橋さんが、つぼ焼きいも作りを始めたのは2009年秋。都内や中国の設計事務所に勤めた後、建築士の資格を取得し故郷の平塚で独立した。「地元の人たちとつながる活動をしたい。やるなら面白く」と思案していた。もともと料理は得意。そこで年代や性別を問わずに好まれる焼きいもを朝市に出そうかと目を付けていた時、父親から昔あった「つぼ焼き」の話を聞いた。

調べると、愛知県で専用のつぼ作りをしている工房が残っており、購入。愛らしい形もすぐに気に入った。

つぼ焼きは大型のつぼ(直径約55センチ、高さ85センチ)の中に針金で12~13個のサツマイモをつるし、約200度まで加熱した練炭で蒸し焼きにする。20分ごとに向きを変えながら、約1時間かけて仕上げる。じっくり手間暇をかけたいもは、しっとりとやわらかく甘みも引き立つのが特徴だ。

素材や調理法など試行錯誤を重ねて、納得いく味にたどり着いた。「やきいも日和」ののぼり旗を掲げて、包装紙も自らデザイン。いもをキャンデーのように包み込む見た目もおしゃれなスタイルだ。

「皮も香ばしくておいしんだよね」。年配者が懐かしそうに頬張る。子どもたちが物珍しいつぼに近づき笑顔になる。そんな時、長橋さんの頬も思わず緩む。昨年は20回ほど出前出店し好評を得た。ことし2月からは不定期となるが、大磯町の雑居ビル脇に店を構えることを決めた。

長橋さんは今、大きな夢を温めている。「将来は地元の耕作放棄地を有効活用してサツマイモを育て、地産地消にする。つぼ焼きいもを日本の食文化として伝え残していきたい」

営業は9月から5月ごろまで。1個200~300円。出店情報などはhttp://www.yakiimo-biyori.com

◆つぼ焼きいも

昭和初期に中国から伝わったとされる。狭い場所でも開業できるため、八百屋の店先で売られるなど全国的に広まった。しかし、戦後になると、リヤカーで移動販売する石焼きいもが台頭し、廃れていったという。

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手間暇かけて作ったつぼ焼きいもを客に手渡す長橋さん(左)=大磯町大磯
手間暇かけて作ったつぼ焼きいもを客に手渡す長橋さん(左)=大磯町大磯

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