1. ホーム
  2. カルチャー
  3. KOBUDO-古武道-結成10周年の全国ツアー

ワクワクしながら深めた絆
KOBUDO-古武道-結成10周年の全国ツアー

カルチャー 神奈川新聞  2017年02月08日 17:23

(右から)藤原道山、妹尾武、古川展生=東京都内
(右から)藤原道山、妹尾武、古川展生=東京都内

 クラシック・古川展生(のぶお)(チェロ)、ポップス・妹尾武(ピアノ)、純邦楽・藤原道山(尺八)という異色の取り合わせで注目されてきたスペシャルユニット「KOBUDO-古武道-」。結成から今年10周年を迎えて、全国ツアーを行う。「10年続けてきたからこその絆がある」と語る3人に話を聞いた。

 ユニット結成の立役者は妹尾だという。桐朋学園大の後輩で「いい意味で目立っていて気になる存在」だった古川を自らのレコーディングに呼び、共演のきっかけをつくった。

 一方で作曲家・千住明がプロデュースする藤原のアルバムレコーディングに、千住と交流のある妹尾が参加。藤原に音楽的にも人間的にも引かれた妹尾が古川と引き合わせ、3人で度々演奏するようになった。

 2007年にユニット結成。和洋の楽器という斬新なコラボレーションに「当初は、いつまで続くのかという周囲の見方もあった」と古川は振り返る。

 藤原は「ファンの方に“古武道サウンド”と言われたとき、浸透してきたのかなと感じた。音大付属の高校生が、ネットで僕たちが演奏する映像を見て、やってみたいと演奏してくれたときはうれしかった」とほほ笑む。

互いに敬意


 妹尾のピアノが華麗なタッチを披露しながら、温かく確かな音色で全体をまとめる。古川のチェロが甘く情熱的に歌い、藤原の尺八が時に渋くむせび泣き、時に伸びやかにメロディーを奏でる。

 それぞれソロと伴奏を入れ替わりながら、一つの音楽を作り上げていく。駆け引きを楽しんでいるようにも聞こえる。

 妹尾は「インストルメンタルで10年続くのは奇跡に近いね、と周りから言われて、そうだなと。お互いにソロプレーヤーとしての尊敬がないと続かない。山越え谷越えて、続けてこられたうれしさがある」と喜びをかみしめる。

増えた宝物




 選曲には気を使う。オリジナル曲に加え、クラシックからメロディーが美しい曲を探すことも多い。

 「デビューアルバムに入っているラフマニノフのピアノ協奏曲第2番は、最初から三つの楽器のために書かれているかのように自然な表現になった」と古川。

 藤原は同じデビューアルバムの1曲目「WATER ISLAND」が思い出深いという。古川以外にも弦楽器が入り、メンバーとつながるきっかけとなった千住の作曲でもあり思いがこもる。

 妹尾が作曲した「翼」はテレビのニュース番組で、テーマ曲として1年間オープニングを飾った。「今の日本を伝える場で使っていただけてうれしかった」と妹尾。

 今ではオリジナル曲が数十曲に上り「素晴らしい宝物」(古川)になっている。

軌跡たどる


 10周年を記念するツアーでは人気のあるピアソラの「リベルタンゴ」や藤原が長唄の元禄花見踊りをアレンジした「百花(ひゃっか)繚乱(りょうらん)」など、10年の軌跡をたどるような演奏を考えている。

 藤原は「10周年は新たなスタートでもある。もっともっと多くの人に聞いてほしい。他の楽器やゲストとの共演も、この3人だからこその出会いがある」と今後に期待を寄せる。

 妹尾は「ワクワクしながら10年やってきた。そんな絆を、今後も深めていきたい。『これからもやるぜ』って体育会系のノリで」と笑った。

 3月10日、関内ホール大ホール(横浜市中区)で10周年記念コンサートを行う。午後6時半開演。全席指定5800円。チケットの申し込み・問い合わせは東京労音府中センター電話042(334)8471。


チェロの古川展生
チェロの古川展生

ピアノの妹尾武
ピアノの妹尾武

尺八の藤原道山
尺八の藤原道山

シェアする