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徘徊、靴で早期発見 高齢者捜索で新システム

経済 神奈川新聞  2016年08月27日 11:24

足の甲部分に小型発信器を装着できる介護用シューズと捜索用レーダー(右)。履いた人が一定範囲からいなくなった場合、中継機(左)を通じて介護者らにメールで通知する仕組みだ
足の甲部分に小型発信器を装着できる介護用シューズと捜索用レーダー(右)。履いた人が一定範囲からいなくなった場合、中継機(左)を通じて介護者らにメールで通知する仕組みだ

 通所型介護施設を全国展開するツクイ(横浜市港南区)は、靴メーカーのアキレス(東京)、セキュリティー機器製造販売の加藤電機(愛知)と連携し、認知症の高齢者のひとり歩きの早期発見に役立てる捜索システムの実証実験を行っている。認知症やその疑いによる行方不明者が3年連続で1万人を超える中、ひとり歩きの高齢者の捜索・発見の有効な手段として、早期の実用化を目指す。

 同システムでは、アキレスが新たに開発した介護用シューズに加藤電機製の小型発信器を装着。あらかじめエリアを設定し、靴を履いた人がそこから出ると介護者にメールで通知。捜索にはスマートフォンサイズの専用レーダー端末を使用し、方向や距離を示す表示を手掛かりに捜し出す仕組みだ。7月中旬からツクイの10施設で実証実験をしており、靴の履き心地はもちろん、一刻も早く捜索に着手し無事に発見できるよう、システムの精度を検証している。

 小型発信器から発する電波はGPSより高精度で誤差は50センチ程度の範囲。1回の充電で1カ月半ほど使用できるという。約10グラムの小型軽量化を実現し、足の甲部分にあるポケットに装着しても履き心地は変わらないほど。70代の実験参加者は「全然気づかなかった」と話す。

 靴の電波を常に受信し、介護者にメールを配信する前提となる「見守りエリア」はアンテナ(中継機)から半径10~300メートル程度の範囲で設定可能。横浜市泉区のツクイ施設で7月下旬に行われた模擬訓練では、専用端末を手にしたスタッフが画面に示される方向を手掛かりに住宅街を捜索し、10分足らずで徘徊(はいかい)者役の発見に至った。


小型発信器を装着した靴を履く高齢者(左)。万一の際はスタッフが手にしているレーダーを使って捜索する
小型発信器を装着した靴を履く高齢者(左)。万一の際はスタッフが手にしているレーダーを使って捜索する


 システムは約20人分の発信器番号を登録できる仕組みで、訓練に参加したツクイのスタッフは「ボタン一つで番号をもとに自動検索してくれる上、画面に方向が示されるので使いやすい」と使い心地を評価。

 3社は9月中旬ごろまで実証実験を続けた後、実用化へ向けて最終的な検証を行う。早ければ年内の実用化を目指す。導入施設や販路、サービス提供価格などは調整中だが想定するターゲットは主に在宅の高齢者で、他の介護事業者への普及も検討している。

 高齢者の見守りを巡っては、主に近隣での声掛けやメールによる情報配信といった手段が用いられている。着衣への記名やネームタグによって発見時の身元確認はできても、行方不明になったのが自宅からか介護施設からか、といった詳細や行方不明事態の発生そのものを知ることは困難だった。同システムが「既存の介護事業との親和性が高い」とするツクイは「認知症高齢者の増加で直面する社会課題の解決につながるのではないか。将来的に駅や公共施設など街中にも中継機が設置されるのが理想」と話している。


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