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大涌谷の客足回復 一部規制解除1カ月

社会 神奈川新聞  2016年08月26日 13:48

家族連れや恋人らでにぎわう大涌谷園地。安全対策の一環で監視員や監視責任者(右端)が巡回している=箱根町
家族連れや恋人らでにぎわう大涌谷園地。安全対策の一環で監視員や監視責任者(右端)が巡回している=箱根町

 箱根山・大涌谷の一部規制解除、箱根ロープウェイの全線再開から26日で1カ月を迎える。夏休みも重なり、大涌谷園地は家族連れらでにぎわいを見せ、同園地内の事業者からは「絶え間なく客が訪れている」といった声が上がる。また全線再開により、ロープウェイのみならず複数の公共交通を使う箱根周遊ルートの経由地でも利用客が増加傾向だ。一方、火山ガス濃度については、二酸化硫黄の濃度が注意喚起の基準値に達する日もあり懸念は消えない。

 「(火山活動活発化の)影響がなかった年の同時期と比べても多く来ている印象」。園地で土産物などを販売する「極楽茶屋」の鈴木厚子さん(69)はこの1カ月間の様子をこう振り返る。

 隣接する箱根ジオミュージアムも多くの人出でにぎわう。再開から21日までに約6万人が来館。約4万2千人だった2014年度の1年間の来館者数をすでに超えた。期間限定の無料開放も要因の一つだが、長田茂館長(62)は「(活火山への)関心の高まりも来館者数の伸びを後押ししている」と分析する。

 箱根ロープウェイの7月26日~8月23日の利用は約18万2千人。同社は「団体はまだ少ないが、個人はほぼ戻っている。特に日本人観光客の利用が増えている。周遊できるようになった効果が出ているのではないか」。複数の交通機関に乗れる周遊チケット「箱根フリーパス」を販売する小田急電鉄も「購入客はだいぶ戻っている」という印象で、今後の動向を見守る。

 ロープウェイの駅ではないが、全線再開で箱根登山鉄道強羅駅の利用客も増加傾向という。同駅は周遊ルートの登山鉄道とケーブルカーの結節点に当たる。ICカード入場者数や切符の発売枚数から算出した利用客数は全線再開後から24日までで約6万7千人と、前年同時期と比べ約2万8千人増えた。

 同駅近くの商店主は「夏休みも重なり、電車が混んでいるのが見た目にも分かる。大涌谷観光を終えた観光客で午後から店が混みだす」と話す。

 一方、火山ガス濃度の問題は依然としてある。園地内では、再開から24日までに6、9日の2回、一時的に二酸化硫黄の濃度が注意喚起の基準値(0・2ppm以上)に達し、注意を促す放送が流れた。6日には0・4ppm台を記録した。

 二酸化硫黄の濃度0・2ppm以上で運転を見合わせるとしている箱根ロープウェイでも、この両日は大涌谷駅で0・2ppmを計測。自主規定にならい、運転を一時見合わせた。ただ、これまでに火山ガスによる体調不良者は出ておらず、混乱もないという。

 注意喚起の基準値に達した状況について町総務防災課は「風向きなどで濃度が変わるという想定はしている」。現在は観光客にアンケートを実施中で、「もともと気管の弱い方は園地内に入らない、という前提がある。アンケートではそのことを知っているかなどを聞く項目を設けている。結果を集約し、今後の対策に生かしたい」と話した。


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