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ドローンで下水管点検 横浜市が全国初の試み 産学官で共同研究

話題 神奈川新聞  2016年08月11日 02:00

3月に行った予備実験では、下水管内に市販のドローンを飛ばし、飛行状況などを確認した=横浜市中区(同市提供)
3月に行った予備実験では、下水管内に市販のドローンを飛ばし、飛行状況などを確認した=横浜市中区(同市提供)

 インフラの老朽化が社会的な課題となる中、横浜市は下水道の点検に小型無人機ドローンを活用する研究に企業などと共同で取り組む。全国初の試みで、市管路保全課は「水量が多いといった理由で調査が難しい管の点検が可能になれば、長寿命化にもつながる。実用化に向けて研究を進めていきたい」と話している。

 共同研究に参加するのは、上下水道コンサルタント「日水コン」(東京都新宿区)、ドローンの開発を手掛ける「ブルーイノベーション」(同千代田区)、横浜国立大学(横浜市保土ケ谷区)。

 今回始めるのは、内径2メートル以上の下水管の点検にドローンを活用する研究。市の下水管をフィールドとして、市と日水コンが点検を行う上での課題を抽出。ブルーイノベーションとともに新たな点検用ドローンを開発する。コンクリートの長寿命化に関する専門知識を持つ横浜国大の室内実験場なども活用し、実用化の可能性を探る。

 下水管は地下にあるため、衛星利用測位システム(GPS)を使った自動操縦は利用できない。代わりに映像やレーダー波から障害物を認識するセンサーを活用するなどして管路内での自動飛行を目指す考え。照明やカメラ、バッテリーなど点検に必要な機能を搭載した上で小型化が求められるという。

 点検は従来、管の太さに合わせて委託業者や職員による目視と自走式テレビカメラ車(長さ約80センチ、幅約20センチ、高さ約20センチ)による撮影とを使い分けてきた。しかし、中には水量が多くて人が流されたり堆積物から硫化水素が発生したりといった危険もあり、調査が難しい区間もあるという。

 実用化に成功すれば(1)調査困難区間の減少による維持管理の安定(2)作業員の安全確保(3)効率的な点検による調査コストの削減-といった効果が見込めるだけでなく、上水道やガス管など他のインフラの点検・調査にも応用が期待される。

 3月に市内の下水管で実施した予備実験では、リモコン操作で市販のドローンを5~10分飛ばし、飛行状況などを確認。想定よりも安定しなかったが、プロペラが起こす風が管の内壁に当たって起きる反射風の影響については「内壁から50センチ以上離れていれば問題ない」ことが分かったという。

 事業費は5千万円を見込む。研究は国が実施する下水道革新的技術実証研究(B-DASHプロジェクト)の予備調査としても採択されており、補助金活用を想定。研究期間は2017年3月まで。同課の担当者は「ドローンによる点検が実現できれば活用の幅は広がる。9月ごろには国大で屋内実験に臨みたい」と話している。

 同課によると、市内の地下には内径0・25~8・5メートルの下水管が網の目状に走っており、普及率は99・9%。総延長は約1万1800キロメートルで横浜-米ニューヨーク間に匹敵する。


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