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貴重な舞台“終演”へ 精神障害者の音楽会

社会 神奈川新聞  2017年02月04日 12:00

開会式後に行われる発声練習 (2015年の会から)
開会式後に行われる発声練習 (2015年の会から)

 看護師らで構成する日本精神科看護協会(日精看)県支部が主催し、精神障害者らに音楽活動の発表の場を提供してきた音楽会が、53回目の今年で幕を閉じる。運営費がかさむ一方、参加者は減少。関係者は「音響スタッフの人件費がかかるようになり、2年ほど前から“終演”を考えていた。会場の全員が笑顔で盛り上がる会なので残念」と無念さをにじませる。

 今回参加するのは県内6施設だが、かつては20施設以上参加したこともあった。県支部長の早瀬和彦さん(50)は「入院患者が高齢化し、出演辞退が増えた。地域の支援体制が整い、長期入院者が減ったことも要因」と説明する。

 参加施設からは、貴重な舞台が失われることに惜しむ声が上がる。15分程度のミュージカルを披露する港北病院(横浜市保土ケ谷区)の相談役を務める田村昇吾さん(69)は「大きな声を出すことで、症状が良くなる人や行動が前向きになる人もいる」と残念がる。開会式後に、会場に集まった全員で発声練習をするのが恒例になっていた。

 音楽会の運営は、県支部のボランティアが手掛ける。裏方をまとめる橋元順一さん(41)は「参加者が、練習の成果を発揮できるように準備している」と奔走。早瀬さんも「半世紀を超えた歴史ある音楽会なので、なくなるのは寂しい」と話し、後継企画を検討しているという。

 最後の「日精看神奈川県支部音楽会」は9日、県立音楽堂(横浜市西区)で開かれる。入場無料。午前10時~午後4時。問い合わせは事務局電話045(353)5268。


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