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横浜落合製作所、展示即売会へ“県代表”
精密板金、小物作りに情熱の技術

社会 神奈川新聞  2017年02月03日 12:32

アルミを3層に重ねたブローチを手に製作意図を語る落合さん=横浜市都筑区
アルミを3層に重ねたブローチを手に製作意図を語る落合さん=横浜市都筑区

 独自の技術を生かしてアクセサリー作りに挑む町工場が、横浜市都筑区にある。精密板金を得意とする「落合製作所」が自社ブランドを立ち上げ、東京・渋谷で開かれている「47都道府県のアクセサリー展」の“県内代表”として出展。クールな仕上がりの品々に、ものづくりへの熱い思いを込めている。

 地場技術を生かした47の企業・個人による商品が並ぶアクセサリー展に同社が出品しているのは、アルミをアルマイト加工した花型のブローチ(5300円)など3商品。

 アルマイト加工は、アルミの強度を高めるための表面処理技法で、処理されたものは無色や青色が一般的。同社はあえて色を混ぜグレーやライトピンク、シャンパンゴールドといった「服に合わせやすい色」にしたと取締役の落合健一さん(45)は説明する。色の調合は気温や水温で異なり、仕上がりに微妙な違いも。「それも個性。一品モノとしての価値がある」

 アルミが3層に重なるブローチやピアスは1枚ずつカットし、花びらの形に折り曲げる。1ミリの狂いも許されない板金加工技術で磨き上げた技で、「量産向け金型で作れないこともないが、仕上がり感を重視した」と落合さんは語る。

 精密板金を得意とする同社は1965年、東京・目黒で創業。90年、主要拠点を都筑区に移し、パソコンや現金自動預払機(ATM)の部品などの製造を手掛けている。

 デザイナーなどと連携したものづくりを始めたのは2008年。建築家からの依頼で、製作困難と思われていた独創的な椅子をイメージ通りに完成した。これを契機に、従来のBtoB(企業間取引)に加え、消費者に直接届く商品を作りたいと考えたという。

 外部デザイナーと検討を重ねて生み出したアクセサリーブランドが「TE(て)」。手を組む、手を取り合う、そして「鉄」-。「日本のものづくりには、多くの人の手がかかっている」と落合さんは話す。実際、今回出品したブローチやピアスはマグネット式で、マグネット製造を手掛ける都内の町工場と連携した。現在も、デザイン性の高いものづくりを追求し、横浜市内の若手同業者らと協業に乗り出している。

 同社は、アクセサリーブランドの製造販売を「自社事業の第二の柱に育てたい」と話す。販路開拓や収益安定性を向上させようと、横浜企業経営支援財団(IDEC)も同社を後押しし、アクセサリー展では共に商品提案を行った。

 「47都道府県のアクセサリー展」は、渋谷ヒカリエ8階のギャラリー「d47ミュージアム」で12日まで。


「47都道府県のアクセサリー展」に出品している指輪やブローチ、ピアス
「47都道府県のアクセサリー展」に出品している指輪やブローチ、ピアス

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