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葉山町議失職は「違法」 覚醒剤使用で有罪判決

社会 神奈川新聞  2016年07月16日 02:00

 覚せい剤取締法違反の罪で執行猶予付き有罪判決が確定した細川慎一氏(42)の議員資格を巡り、葉山町議会が被選挙権が途切れたとして失職させた決定について、黒岩祐治知事は15日、「法解釈を誤った違法な決定」として取り消した。公選法では、執行猶予中の議員は自動失職とならないため、細川氏の議員資格は回復する。細川氏は今後について、「裁決書を読んで検討したい」との考えを示した。

知事、決定取り消し


 町議会は、細川氏は保釈時に町内に生活の本拠を置いておらず被選挙権が途切れたとして、4月7日付で議員資格なしと決定。地方自治法に基づき失職したが、細川氏側はこの決定を不服とし、「法の運用の仕方が間違っている」と知事に審査を申し立てていた。

 県などによると、外部有識者による自治紛争処理委員は、知事に提出した意見書で「町内に住居がなかったのは1カ月程度と短期間」と指摘。町外に退去した際に家財を処分しなかった▽身を寄せた友人宅で6畳一間を間借りしていた▽町内での新住居を探していた-などの事情を勘案し、生活の根拠である住所は町内にあり、町議会の決定は「法の規定およびその解釈を誤ってなされた違法な決定で取り消されるべき」と結論付けた。委員の意見を尊重し、知事も同様の判断を下したという。

 知事の裁決を受け、細川氏の代理人は「覚醒剤を使ったことは悪いが、被選挙権がないという判断は強引という主張が認められた」と評価した。同町議会の近藤昇一議長は「われわれの主張が認められず残念。議会内で対応を検討したい」とコメント。議会側の代理人は「制度上、異議申し立てはできないと理解しており、裁決は受け入れざるを得ない」との見解を示した。

 町議会によると、裁決を受けて細川氏には失職決定日にさかのぼって議員報酬(月額40万円)と6月支給分の期末手当などが支払われる見込み。

 細川氏は懲役1年6月、執行猶予3年の有罪判決が確定しており、判決後の神奈川新聞社の取材に「自分としては一度逮捕されたから再び政治に関与してはいけない、と決め付けてはいない」などと話していた。

細川氏の覚醒剤事件を巡る主な経緯
 2月16日 県警が覚せい剤取締法違反容疑で現行犯逮捕
   23日 葉山町議会が辞職を勧告
 3月10日 保釈
 4月7日 葉山町議会が「議員資格なし」と決定し、失職
   19日 細川氏が町議会の決定に対する審査を知事に申し立て
 5月12日 横浜地裁が覚せい剤取締法違反罪で懲役1年6月、執行猶予3年の判決
   27日 判決確定
 7月15日 知事が葉山町議会の決定を取り消す


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