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シッターに無期求刑 検察側「立場を悪用」

社会 神奈川新聞  2016年07月09日 11:17

横浜地裁
横浜地裁

 埼玉県富士見市のマンションで2014年3月、横浜市磯子区の男児=当時(2)=を窒息死させたとして、殺人などの罪に問われたベビーシッターの男(28)の裁判員裁判の論告求刑公判が8日、横浜地裁で開かれた。検察側は「前代未聞の誘拐殺人だ」として無期懲役を求刑、起訴内容の大半を否認した弁護側は懲役7年が相当として結審した。判決は20日。

 被告は殺人罪のほか、男児と当時9カ月の弟をわいせつ目的で誘拐した罪、弟に重度の低血糖症を負わせたとする保護責任者遺棄致傷罪、預かった複数の乳幼児に対してわいせつな行為や下半身の撮影をしたとする罪などに問われた。

 検察側は論告で、「被告は子どもの預け先に困った親の弱みにつけ込み、シッターの立場を悪用してわいせつな行為を繰り返していた」と非難。「更生の見込みは極めて乏しく、有期懲役にする事情は見当たらない」と訴えた。

 弁護側は弁論で、被告には男児を殺害する動機がないと主張。被告は「浴槽内で目を離した際に溺れた」と説明しており、男児に対しては業務上過失致死罪、弟に対しては同致傷罪が成立すると説明した。そのほか、乳幼児の下半身を撮影したことは認めつつ、「シッターとしてやってはいけないことをしたが、殺害は別の問題だ」と強調した。

 「信頼を裏切り、心から反省しています」

 最終意見陳述で、被告は涙声で謝罪した。ただ、殺人罪については「見たこと、経験したことを覚えている限りで話しただけで、うそをついてきた訳ではありません」と否認。わいせつ目的があったこともこれまで通り否定した。

 一方、男児の母親(24)は、代理人による論告求刑で死刑を求めた。閉廷後にコメントを寄せ、「とても真実が聞けないどころか、最後の最後まで信じられない弁解や言い訳を続ける姿を見て、言葉では表せない怒りを感じています」と、あらためて被告への憤りをあらわにした。


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