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足元から 2016神奈川参院選
漂流、夢は正社員 非正規抜けられぬ

社会 神奈川新聞  2016年07月02日 12:27

カフェで調理補助のアルバイトをする女性=横浜市内
カフェで調理補助のアルバイトをする女性=横浜市内

 有効求人倍率が47都道府県で1倍を超えるなど、指標上では良好に見える雇用状況だが、全労働者の4割が非正規雇用という不安定な立場にある。厚生労働省の賃金構造基本統計調査(15年)によると、正社員の平均月給32万1100円に対し、フルタイムで働く非正規労働者は20万5100円と賃金格差も大きい。参院選では各政党が「同一労働同一賃金」の実現を掲げている。

服は「全部もらい物」


 ストライプ柄のシャツにチノパン、ショルダーバッグ。「全部もらい物」と笑う女性(39)は現在無職。生活を切り詰め、失業保険で暮らしている。

 22歳で働き始めて以来、一度も正社員になったことがない。専門学校卒業後にまず就いたのが福祉関係の時給900円のアルバイト。週5日、午前11時から午後11時までの長時間労働で月収は17万~20万円あり、横浜市内の実家を出てルームシェアで都内に住んだ。同僚もみな同世代で「健康不安も家族への責任もなく、仕事も給料もこんなものだと思っていた」。

 しかし2007年、同僚男性が退職した。妻が妊娠して仕事を辞め、この月収では暮らしていけないと関西の実家に帰ったのだ。「刹那的な暮らしに初めて不安を覚え」退職した。

「一人の人格として扱って」


 祖母の介護を経て09年に再び職を探したが、前年のリーマン・ショックの影響で仕事はなく、工場の日雇い労働などでつないだ。その後、当時問題になっていた「消えた年金」に関連する仕事で派遣社員として働き、そこで受けた研修で初めて、年金を払っていないことに気付いた。

 12年からは、派遣社員として出版社に3年間勤務。電話応対などを褒められたこともあったが、正社員への登用も給料アップもなかった。派遣会社に訴えたが何も変わらず、失意のうちに退職した。

 11月に40歳の誕生日を迎える。「履歴書の印象が変わる」ので、7月からパソコンの職業訓練に通い、39歳のうちに就職活動を再開する予定だ。「非正規の待遇の劣悪さを思い知らされた17年だった。次はできれば正社員になって、一人の人格として扱ってもらいたい」

「再チャレンジ支える社会を」



 県内在住のアルバイト女性(26)も正社員として働いた経験がない。

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