1. ホーム
  2. 経済
  3. 県内路線価、前年比プラス0.5% 上昇幅縮小も下落はゼロ

県内路線価、前年比プラス0.5% 上昇幅縮小も下落はゼロ

経済 神奈川新聞  2016年07月02日 02:00

変動率が5年連続県内1位を記録した川崎駅東口広場通り付近=川崎市川崎区
変動率が5年連続県内1位を記録した川崎駅東口広場通り付近=川崎市川崎区

 東京国税局が1日公表した2016年1月1日現在の路線価で、県内約2万2千地点の対前年の平均変動率はプラス0・5%となり、3年連続で上昇した。上昇幅は前年のプラス0・6%から縮小したが、県内18の税務署管内の最高路線価で下落した地点は、2年連続ゼロだった。

 税務署別の最高路線価を対前年の変動率で見ると、18地点のうち前年同数の14地点が上昇した。中でも5%以上の上昇を示した地点は川崎南、横浜中、神奈川、鶴見の4地点となり、前年の2地点から増加した。横須賀や平塚など4地点は横ばいだった。

 最高路線価の県内トップは横浜駅西口バスターミナル前通り(横浜中)。前年比68万円(9・5%)増の1平方メートル当たり781万円で、1979年から続く1位の座を守った。変動率のトップは5年連続で川崎駅東口広場通り(川崎南)で、12・9%上昇した。

際立つ都市部回復 オフィス需要を背景に



 1日公表された県内路線価は、主要駅周辺の再開発やマンション建設が盛んな横浜・川崎の二大都市での地価上昇率が際立った。浜銀総合研究所の森翔太郎研究員は「県内全体では地価回復の頭打ち感が出始める一方、5%以上の上昇率だったエリアではオフィス需要の回復などを背景に上昇ペースが強まった」と分析している。

 三鬼商事横浜支店の調べでは横浜ビジネス地区(横浜駅、関内、新横浜、みなとみらい21)のオフィス平均空室率は5月、5%台に低下。中でもみなとみらい21地区は3%台で、需要が高い。賃料も上向いており、一部では契約更新時の賃上げ交渉の動きも見られるという。こうした傾向に森研究員は「県内のオフィス需要は主要エリアを中心に本格的な回復局面に入った」との見方を示す。

 一方、郊外では都心から離れ、高齢化や人口減が進むエリアを中心に変動率が縮小または横ばいの傾向が目立つ。ただ、都心乗り入れを控える相鉄線の沿線では、海老名駅東口駅前通りが前年比4・4%上昇した。同駅西口側では大型商業施設が開業し、400戸規模の大型分譲マンション計画も進む。森研究員は「再開発の進展でこれからも地価上昇が期待できるエリア」と話す。

 今後の地価動向について森研究員は「景気の回復傾向の持続やマイナス金利が引き続き地価の上昇を支えるが、消費税再増税の先送りもあって住宅販売の大幅な盛り上がりは期待しにくい」。加えて、英国のEU離脱問題など世界情勢の先行きも不透明で「仮に混乱が長期化すると不動産市場に影響が及ぶ恐れがある。為替動向などを注視する必要がある」と指摘した。


シェアする