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学校外へ移管検討も時期触れず 放射性廃棄物“放置”で横浜市対策会議

社会 神奈川新聞  2016年06月30日 02:00

 東京電力福島第1原発事故に由来する高濃度の放射性「指定廃棄物」が横浜市の公立学校17校に5年以上置かれている問題で、市放射線対策本部会議(統括本部長・渡辺巧教副市長)は29日、「学校外での保管は総意」とし、移管する候補地の検討に入った。「一般市民、主に子どもが原則立ち入らない場所」など6条件を満たす場所を選ぶという。ただ、新たな場所の決定や実際の搬出入の時期については言及がなかった。


ドラム缶に入った「指定廃棄物」は学校で保管されている=横浜市鶴見区
ドラム缶に入った「指定廃棄物」は学校で保管されている=横浜市鶴見区

 問題の指定廃棄物は各校の「雨水利用施設」の貯水槽にたまった汚泥。放射性セシウム濃度が1キログラム当たり8千ベクレル超で、計約3トンに上る。環境省が2013年12月、特別措置法に基づき「指定廃棄物」に指定した。処理責任は政府にあるが、方法や場所が決まらないことを理由に事実上の放置が続いている。

 市の対策本部会議は5月下旬、廃棄物について「学校外での保管の検討を始める」と決定。29日の会議では場所選定に際し、「六つの条件を設ける」と決めた。条件は(1)一般市民、主に子どもが原則立ち入らない場所(2)一定期間(10年程度)利用可能である(3)実際に保管できるようになるまでの期間を考慮する(4)保管場所に必要な面積(最大約60平方メートル)が確保できる(5)自然災害等に対する安全対策が講じられる(6)特段の配慮事項があるか否かについても検討する-の6項目。

 同会議事務局の市健康福祉局健康安全課は、一定期間を「10年程度」とした理由について「数年でまた別の移管場所を探すような事態にならないように目安として設定しただけで、特に参考にした指標などはない」と説明。今後、候補地を探していくが、次回の本部会議の日程や移管場所の決定時期については「未定」という。同課は「できるだけ早く移管先の候補地を探したい」と話している。

撤去や説明求め要望書

 横浜市の市民団体などは29日、市内の公立学校に置かれている「指定廃棄物」の撤去などを求める要望書を市に提出した。

 保護者らでつくる各校横断の「学校・保育園の放射能対策 横浜」と、震災廃棄物の広域処理に反対する「放射性廃棄物全国拡散阻止!3・26政府交渉ネット」で、「子どもが学び、生活する場所に高線量の放射能汚染物を置くのは問題」などとして学校外へ運び出すよう求めている。

 「交渉ネット」は、要望書で「環境省が指定した指定廃棄物が今日まで横浜市の管理の下に置かれ、放置されているのは、環境省の処理責任放棄と横浜市がその点の改善・実施を漫然と見過ごしてきたことに他ならない」と指摘。その上で「横浜市教育委員会は、なぜ今日までこの事態を善しとしてきたのかを答えていただきたい」としている。市政策局秘書課は「2週間以内に回答する」とした。


記者会見で「放射性廃棄物を学校から撤去してほしい」と話す市民団体のメンバーら=県庁
記者会見で「放射性廃棄物を学校から撤去してほしい」と話す市民団体のメンバーら=県庁

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