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半世紀、お店一休み 東京五輪、ベトナム戦争見届け閉店

社会 神奈川新聞  2016年06月29日 02:00

半世紀以上、「一休」から街の変化を見続けてきた不動田さん=横浜市神奈川区
半世紀以上、「一休」から街の変化を見続けてきた不動田さん=横浜市神奈川区

 JR東神奈川駅と京急線仲木戸駅の間にあるそば店「一休」(横浜市神奈川区)が今月いっぱいで閉店する。半世紀以上続いてきたが、ビルの建て直しと店主の不動田(ふどうた)文夫さん(77)が自身の年齢もあり、閉じることにした。「寂しいが、店からこの街の変化を十分に見届けた」と振り返る。

 石川県出身の不動田さんは、東京五輪のあった1964年に完成した駅前のビルに入居、そば店を始めた。「臭いがひどく、環境はあまりよくなかった」というが、神奈川大学の学生時代から近くでバーテンダーのアルバイトをしていたことや、一回り年上の妻茂子さんの後押しもあり、この地での開店を決意した。

 職人2人を雇い、最新の調理器具を備えた。今ある机も開店当時購入したもの。バーテンダーの経験を生かし、「自分が納得して出せる名酒やおいしいと思う焼酎を仕入れている」という。

 京急とJRを乗り換える仕事帰りのサラリーマンでにぎわった。駅の間に店を構えたので店名を「ひとやすみ」と名付けたが、客から「いっきゅう」と親しまれ、定着した。ベトナム戦争時代には横浜ノースドックで勤務する米軍将校も訪れ、学校関係者、議員らもよく利用したという。

 「高層ビルが増えて、街はすっかりきれいになった。でも、人間関係がよそよそしくなっちゃったかな」と寂しそう。再開発事業でビルの建て直しが決まり、今月1日、軒先に「閉店のお知らせ」を張り出した。「これまでやって来られたのは常連客のおかげ。最後まで笑顔で客と接したい」と話す。

 午後5時から午後9時まで。問い合わせは、一休電話045(441)7410。


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