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首相熱弁も聴衆冷静 県内で応援行脚、改憲は触れず

選挙 神奈川新聞  2016年06月28日 10:06

安倍首相の演説に耳を澄ます有権者ら=27日午後6時39分、JR桜木町駅前
安倍首相の演説に耳を澄ます有権者ら=27日午後6時39分、JR桜木町駅前

 「最大のテーマは経済政策だ」。参院選神奈川選挙区に出馬した3候補の応援演説で初めて県内入りした安倍晋三首相は27日、横浜、川崎両市内で3度駅頭に立った。いずれの会場でも「アベノミクス」の実績を掲げて支持を訴える一方、今後の政権運営の焦点となる憲法改正には触れなかった。じっと耳を澄ませた有権者は、何を思ったか-。

 買い物客らでにぎわう夕刻の桜木町駅前。選挙カーの上でマイクを握った安倍首相の演説は18分間に及んだが、その大半が雇用環境の改善や倒産件数の減少といった「アベノミクス」のアピールだった。

 IT企業に勤める横浜市西区の男性会社員(51)は、その効果を肌で感じる一人だ。「以前はいくら働いても年収が増えなかったが、アベノミクスの影響で業績が上がり、給与が増えた」

 これに対し、神奈川区の自営業男性(67)は経営環境の厳しさを強調する。「アベノミクスの効果なんて実感できない」。3年連続の賃上げを成果に挙げた安倍首相の演説に、磯子区の男性会社員(59)も「大企業から業績が回復するのはやむを得ないが、中小企業にも効果が行き渡るようにしてほしい」と注文を付けた。

 「私のように年金生活だと、アベノミクスの影響はよく分からない」という港北区の男性(71)は一方で、こう指摘した。「憲法改正について一言も言及がなかった。争点にすれば反対が出るのが分かっているので、あえて避けているのだろう」

 首相の演説は「テレビの討論番組での発言と全く同じ」に聞こえ、「特にこれと思う言葉はなかった」。むしろ「外交や安全保障といった国のあり方に関するテーマをもっと論じるべきなのに」と疑問視した。

 安倍首相は演説の大半を経済政策に割き、女性の社会進出など1億総活躍の実現に約5分を充てた。安全保障政策は野党批判に絡めた発言が目立ち、改憲の是非には触れなかった。

 憲法改正を期待する有権者からも「演説で触れられなかったのは残念」(神奈川区の自営業男性)との声が上がった。川崎駅前の演説に足を止めたが、「国民の関心が全然高まっていないので、訴えても仕方ないのだろう」と受け止めた。

 同じ会場で川崎市幸区の主婦(48)は、首相の発する一つ一つの言葉に耳を澄ませた。「自分の言った約束を守っているか、守ろうと努力しているか。そういうところで政治家が信用できるかどうかを見極めている。争点になっていないところも市民は見ているのだと、候補者には分かってもらいたい」

 街頭演説を聞くのは初という大学1年の女子学生(19)=横浜市中区=は「迫力があって納得させられる部分もあったけれど、若い世代が関心を持てるよう、もっと分かりやすく伝えてほしい」というのが率直な感想。「野党も批判ばかり。投票先はまだ決めていない」と、初めての一票を大切に投じようとあらためて思った。


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