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「福先生」の思いに触れて がん闘病で童話や詩創作 

社会 神奈川新聞  2016年06月20日 17:16

福明子さんの特集コーナー「福明子先生のせかい」 =伊勢原市立図書館
福明子さんの特集コーナー「福明子先生のせかい」 =伊勢原市立図書館

 元伊勢原市立小学校教諭で児童文学作家としても活躍した故・福明子さんの著作を集めた特集コーナー「福明子先生のせかい」が、同市田中の市立図書館に設けられた。がんと闘いながら、童話や詩の創作を続けた「福先生」。関係者は「命に対する思いに触れてほしい」と話している。

 福さんは市内出身。母校の伊勢原小のほか、桜台、成瀬小などの教壇に立つ一方、童話や詩などの創作にも取り組み、多くの賞に輝いた。35歳の時に乳がんが見つかり、再発するがんとも闘い続けた。執筆に専念するため2008年に退職。15年7月、57歳と11カ月で亡くなった。

 同僚だった木下悦子さん(62)は「いつもにこやかで、名前の通り、おおらかな人柄だった。子どもが本当に好きだった」と振り返る。病気が重くなってからも、学校に本を寄贈するために、つえをついて持参してくれたという。

 特集コーナーは今年4月に2階の児童書を集めた一角にお目見えした。弟の唯志さんら遺族が寄贈した福さんの著書と共著書で計36タイトル114冊を置いた。福さんの写真や経歴、色紙なども展示している。

 「ひろすけ童話賞」を受賞した「ジンとばあちゃんとだんごの木」は母と死別する小学生の男の子を描いた代表作。出版した「あるまじろ書房」(東京都)代表の山田晋也さん(53)は「命を見つめる登場人物の思いが心に迫り、ぐいぐいと引き込まれた」と評する。

 福さんはこの作品の「あとがきにかえて」で、「『それでも生きてる命』は特別で、キラキラと本当に美しく光るんだとわたしは思うの。そのことを、このお話を読んでくれる子には知ってほしい」と、命の大切さを訴えている。

 問い合わせは、同図書館電話0463(92)3500。


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